ENHYPEN「goodjap」発言で炎上“日本人ファースト”の逆鱗に触れたK-POPグループの現在地

「goodjap」は韓国語の発音に従っただけ?

「JAP」は第二次世界大戦中、アメリカなどで日本人を侮蔑するために使われた言葉で、現在でも英語圏で差別的ニュアンスを含むとされるスラング。本人の釈明でも謝罪の言葉はなく、「軽率な言動」よりも謝罪姿勢の無さに批判が集まっている。

「jobは韓国語で『ジャプ』に近い発音なので、ソンフンはわざとjapと打ったわけではなく、韓国語の発音に従っただけかもしれません。
ENHYPENメンバーたちに日本を差別する意図はなかったと考える方こともできるが、誤解を与えたため、謝罪は必要だったかもしれません」(K-POP好きのライター)

近年、日本のSNS空間は“日本人としての尊厳を守れ”という「日本人ファースト」的な言説が力を持ち始めている。

K-POPのようにグローバル展開し、多国籍のファンダムに向けて無国籍や文化越境を演出するスタイルは、この価値観としばしば衝突する。

今回の件は、そうした価値観の逆鱗に触れた結果、「ENHYPEN=反日」と短絡的にラベリングされ、批判が広がる要因となった。

その要因は単なる言葉の問題というよりも、差別語の認識不足や誠意ある対応の欠如だけでなく、ソーシャルメディア時代のナショナリズム的感情の軽視にもあったと言えるだろう。

だが、仮にソンフンやENHYPENが謝罪した場合に「誰が満足するのか?」という問題は、道義的な問題ではなく、“現代の炎上と謝罪の意味”そのものが変質しているため、難しいところがある。