田形友幸が“バーグマン田形”になるまでの軌跡「ハンバーグは好きだけど特別な思い入れはなかった」

ゆるキャラ「ハンバーグマのグーグー」が人気者に

バーグマン田形とグーグー
しかし、さわやかでも目覚めなかった田形はいつ毎日ハンバーグのバーグマンへと孵化したのだろうか。

「きっかけは’08年でした。当時、僕は磐田・袋井地域で『イロハ』というフリーマガジンの編集長をやっており、磐田市が豚足カレーで町おこしをするプロジェクトに広報として携わっていたのですが、これがなかなか難航したんですね。
そんなとき、ふと町を見れば美味しいハンバーグを提供するお店がいくつもあった。『さわやか』の人気に火が着いたのもその頃なんですけど、静岡は控え目な県民性もあってアピールをするのがうまくない。
ならば、肉汁したたるハンバーグの妖精、『ハンバーグマのグーグー』というキャラクターを作り、彼を旗頭にして『食べよう!! ハンバーグの会』という組織を結成しました」

それでも田形は、まだバーグマンにはならない。だが、肉汁の香りは、徐々に彼を包み始めていた。田形は会長となったグーグーの裏方に徹した。

ただ、お堅い広報戦略よりも、親しみやすいキャラクターをまず作り、彼にハンバーグをアピールしてもらおうという田形の作戦は見事に人々の心を捉えた。

グーグーはオンリーワンの価値観を持つハンバーグを「進化系ハンバーグ」と定義付け、「静岡おでんバーグ」「袋井クラウンメロンバーグ」「浜松ホルモンバーグ」など、個性的なハンバーグをプロデュース。

さらに’11年には『サークルKサンクス』が「ハンバーグマのグーグー弁当」などを静岡県内で発売。Tシャツになり、ぬいぐるみになり、アニメ化にフジのドラマ出演など大人気となり、全国のゆるキャライベントに出演してはハンバーグであり、ハンバーグの町・静岡を啓蒙する活動に勤しんだ。