消費税廃止、政治とカネ、コメ輸入…政治改革を迫られた細川護熙政権“退陣”までの舞台裏
「細川は政治家としては未熟だった」
首相在任わずか8カ月、当時、細川を見続けていた官邸詰めの記者は、こう述懐していた。
「結局、細川は政治家としては未熟だった。その感性は評価される一方、スタッフには細川の“黒子役”が不在だった。
多くは関係省庁が“細川政治”をにらむために官邸に送り込んだ事務方ばかりで、忠誠心に乏しかった者に囲まれていた。これが最大の弱点だった。
そのうえで、連立内の党派対立が絶えず、細川はやる気をなくしていた。『退陣を早まるな』の説得もだいぶあったが、細川は政権後半にはまったく耳を貸さなかったとされている」
退陣に際して細川が残した言葉は、「政治はもうコリゴリ」というものだった。
細川の退陣劇から、今年ですでに31年がたつ。現在の細川は、実質的に生臭い政治の世界とはプッツリ縁を切っている。こうした潔い生き方は、首相を務めた者には珍しい。
退陣後は、一言でいえば悠々自適、本人いわく「隠遁生活」ということになるらしい。
住まいは、神奈川県湯河原の一角。ここは、もともと母方の祖父・近衛文麿元首相の別荘があり、細川はその地に住んでいる。
仄聞するに“晴耕雨読”の日々、近所から借りた30坪ほどの畑で野菜をつくり、玄人はだしともされる作陶に励んでいる。
作陶は心が静まる一方で、腕もなかなか、陶芸展に出品すれば、なかにはウン十万円といった結構な値段がついたことがあったそうである。
いま87歳の細川が、かつて好んで引用した言葉のなかには、足利幕府草創期の名管領として腕力を振るった細川頼之の、「人生五十 功無きを愧ず」というものがある。
(本文中敬称略/完=次回は羽田孜)
「週刊実話」7月17日号より
【歴代総理とっておきの話】アーカイブ
小林吉弥(こばやし・きちや)
政治評論家。早稲田大学卒。半世紀を超える永田町取材歴を通じて、抜群の確度を誇る政局・選挙分析に定評がある。最近刊に『田中角栄名言集』(幻冬舎)、『戦後総理36人の採点表』(ビジネス社)などがある。
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