安倍昭恵さんが日本の外交戦略を救う? トランプ大統領の再登板で変わった世界秩序

AIで生成したイメージ
「貿易赤字の是正」か、それとも「孤立」か。

迷走を続けながらも強靭な要求を崩さないトランプ関税を巡り、世界の国々が大混乱に陥っている。

しかし、トランプ米大統領の再就任で世界秩序が劇的に変わると指摘していた識者の一人が、経済アナリストの森永卓郎さんだ。

『緊急出版 森永卓郎 絶体絶命の日本を救う最後の提言』(小社刊)の「トランプ再登板で変わる世界秩序」で、日本が取るべき最善の方策、救世主の存在を提示している。

新しい世界秩序で日本はアメリカにも中露にも属していない

アメリカのトランプ大統領が吠えまくっている。

カナダに対して高率関税を課すことを通告したうえで、「カナダはアメリカの5番目の州になればよい」と主張し、パナマ運河の運営はアメリカが行うべきとして、堂々と「奪還」を宣言した。

また、デンマークの自治領であるグリーンランドに関しても、安全保障上の要衝であるとしてアメリカへの譲渡を要求し、実現しない場合には軍事力の行使も示唆した。

私は、勘違いをしていた。

トランプ大統領が「メイク・アメリカ・グレート・アゲイン」と言うときは、アメリカ合衆国を指すと考えていたのだが、彼の頭の中の「アメリカ」とは、北アメリカ大陸を指しているのだ。

そして、その地域は自分のものとして徹底的に守り、その代わり他の地域に関しては安全保障上の責任を持たない。

いわば「世界の警察」としての責任を放棄するということなのだ。

一方の中国は、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)をベースとして、ASEAN (東南アジア諸国連合)などの新興国を中心に、アメリカの対抗勢力を結集しつつある。

かつての東西冷戦は、資本主義勢力と共産主義勢力の対立だったが、いま起きようとしている変化は、そうしたイデオロギー対立ではなく、経済ブロック間の対立になろうとしている。

そこで問題になるのが、日本の立場である。

東西冷戦の時代、日本は考える間もなく西側に属していた。

しかし、新しい世界秩序で日本はアメリカにも、中国、ロシアにも属していないのだ。