破壊王・橋本真也、急逝から20年 いま振り返る珠玉の名勝負3選

大乱闘に発展したZEROーONEを旗揚げ戦

(3)三沢光晴&秋山準vs橋本真也&永田裕志(2001年3月2日、両国国技館)
自身の引退を懸けて挑んだ小川とのシングルマッチで敗退した橋本が、新団体「ZEROーONE」を設立。

2001年3月2日に旗揚げ興行を開催し、1万1000人の観衆を集め、爆発的な盛り上がりを見せた。

それも当然で、 この大会のメインイベントが、新日本プロレスを退団してZEROーONEを旗揚げした橋本、新日本プロレス所属の永田裕志のタッグに、全日本プロレスから独立してプロレスリング・ノアを設立した三沢光晴と秋山準のタッグが大激突。

これまでのマット界の常識を覆す、「闘魂vs王道」というドリームマッチが実現したのだ。

試合では、橋本のけさ斬りチョップやDDT、三沢のエルボーやタイガードライバー、さらには永田のバックドロップ、秋山のエクスプロイダーなど、各選手の得意技が惜しみなく繰り出された。

最後は三沢が橋本をジャーマンスープレックスからの片エビ固めでフォールを奪い、ノア組が勝利を収めた。

しかし、これだけでは終わらなかった。

試合終了のゴングが鳴った後も橋本が秋山への攻撃を続けたため、各団体のセコンド陣がリングに上がる大乱闘に発展。

さらに来場を予告していた小川がマイクを持ってリングインし、橋本に対して「橋本、コラッ! だらしねぇ試合してんじゃねぇ、コノヤロー!」と挑発した。

小川は続けて「三沢、受けてもらおうじゃねぇか、勝負を!」とアピールしてマイクを叩きつけると、三沢が激怒して小川に殴りかかった。

「破壊なくして、創造はなし!」という橋本の信念が投影されたかのように、この日はマット界の勢力図が破壊されたのだった。

豪快なファイトと憎めないヤンチャな人柄で絶大な人気を誇った橋本真也の名勝負は、この他にも数多く存在する。

月日がたった今も色あせず、入場曲「爆勝宣言」とともにファンの心にいつまでも刻まれているだろう。

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