「ナベツネさん健在だったら考えられなかった」江川卓氏が球団専務取締役、ポスト阿部は桑田二軍監督が継承へ

江川卓 (C)週刊実話Web
【ミスタージャイアンツの遺産2】
“ミスタープロ野球”長嶋茂雄さんが89歳で天国へ旅立ち、巨人軍に大きな変化が…。注目の“ゴジラ”松井秀喜氏(ヤンキースGM特別アドバイザー)は次期巨人監督候補を辞退し、長嶋氏の遺志を継いでロス五輪・侍ジャパン監督に。江川卓氏が「球団専務取締役」を引き継ぎ、ポスト阿部は桑田真澄二軍監督が継承する――。

ナベツネさん健在なら考えられない人事

長嶋氏が就いていた「株式会社読売巨人軍・専務取締役」とは、OB会や球団内の原(辰徳)派、中畑派、松井派、高橋(由伸)派、阿部派の主導権争いを制御するお目付け役。

山口壽一オーナー(読売新聞グループ本社代表取締役社長)は、球団専務取締役の後釜に江川氏を検討しているという。

球団トップの国松徹社長(前読売新聞西部本社社長)は経営を包括するCEO(最高経営責任者)、江川氏は現場統括のCOO(最高執行責任者)で棲み分ける方針のようだ。

その江川氏は理論的で改革派の桑田二軍監督の手腕を高く評価し、ポスト阿部監督に推している。

今季、V逸なら引責辞任を回避するため、来季はGMへの配置換えとの情報もある。

「カリスマ的存在の江川と東大野球部指導で育成に科学を持ち込んだ桑田がタッグを組めば、巨人はコペルニクス的に転回する。もっとも、これはナベツネさんが健在だったら考えられなかった人事」(巨人OB)

ナベツネ氏が何より重視したのは、国民的ヒーローであり、品格のあるブランドだ。

「長嶋・原ライン」を“血統”のように重用し、高橋氏、阿部氏を監督に。しかし、江川氏と桑田氏はこの路線から外れていた。

江川氏には「空白の1日」、桑田氏には「早稲田大学への進学を表明しながら巨人に入団」した経緯があり、「裏切り」「出来レース」と批判され、読売新聞の不買運動が起きたこともあったからだ。