元横浜ベイスターズ“ドラ1”細見和史が野球人生を振り返る「なんで僕がプロに入れたのかは…分からない」

「後悔というものはないです。やり切りました」

’02年にはトレードで西武へ移籍するも2試合に登板しただけで戦力外となり、阪神へ行くも登板なしで’05年に引退を決断する。

「後悔というものはないです。やり切りました。本当は活躍して名球会に入れる活躍ができれば良かったんですけど、成功した失敗したじゃなくて、野球を辞めた後に、僕はいろんなことを経験させてもらえたんだなって感謝できるようになったんですね。
やっているときは自分自分でしたけど、金や名声を得るだけが成功じゃない。例えばケガをしたことだってそう。
そのときに出会った東洋医学や、物理学でいう波動、マイナスになったときの心の在り方や精神性なども含めて、得られた経験や、ものの見方は大きかった。徐々に世の中全体を俯瞰で見られるようになったというか、少しずつ視野が広くなったと思うんです。
そういうことを野球は僕に教えてくれた。それは引退後に不動産で働いていても、野球を通じて、いろんな人との不思議な出会いや縁がありました。
真面目に練習してプロに入れた成功も、活躍できなかった失敗も、僕にとっては宝物。野球は人生の軸です。たくさんのことを与えてもらいました。
だから僕が帰るべき場所は野球なんです。ここから大切なことを伝えていきたいと思ったんです」

今回の中編でも「ホソミの国」の正体は謎のまま。しかし“野球”がカギになることは間違いないようだ。

(後編に続く)

取材・文/村瀬秀信

「週刊実話」6月26日・7月3日号より

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