休戦から72年…韓国・李在明大統領の誕生で“第二次朝鮮戦争”勃発カウントダウン

北朝鮮は軍事大国化まっしぐら

これに加えて、資金と技術を提供しているのがロシアだ。

ウクライナ戦争に北朝鮮兵を派遣した見返りに、北朝鮮政府へ推定200億ドル(約2兆9000億円)もの多額の資金提供のほか、軍事技術の供与も行っているとみられる。

「戦闘機からミサイルを発射して空中の目標を攻撃する中距離空対空ミサイルや、地上の目的を攻撃する空対地ミサイルなどについてはロシアの技術が取り込まれ、精度が上がっているようだ。
今年4月に進水式を行った5000トン級の駆逐艦の1号艦の攻撃システムもロシアのシステムと極めてよく似ています」(軍事ジャーナリスト)

駆逐艦を巡っては2号艦が進水時(5月21日)に横転して、正恩氏が激怒したと伝えられた。

北朝鮮の技術の未熟さを示す一方で、正恩氏が早期の実戦を見据えて軍事力強化を加速させている側面も窺える。

北朝鮮の切り札とも言える核兵器については、すでに最大90発分の核物質を生産し、約50発の核弾頭を組み立てたと推定されている。

核弾頭を運ぶミサイルについても、液体燃料に比べて発射準備時間が短い固体燃料式ミサイルや短距離弾道ミサイル、SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)、弾頭が複数ある新型ICBM(大陸間弾道ミサイル)などがそろっている。

軍事大国化にまっしぐらの北朝鮮に、韓国はどう対処するのか。

李大統領は良くも悪くも柔軟な政治姿勢で知られ、大統領選では日米韓の連携の重要性を強調するなど、尹前政権に続いて西側諸国の一員という立場をアピールした。

この現実路線が韓国の中道層にも支持され、当選につながった面もある。

大統領として米国と関係強化を図りたいところだが、一筋縄ではいかないのがトランプ政権だ。

韓国に対しても例外なく高い関税を突き付けており、就任早々厳しい交渉を迫られる。