「進次郎氏は持っていたカードを切っただけ」蝶野正洋が考えるコメ不足の根本的原因

蝶野正洋 (C)週刊実話Web
週刊実話の人気連載「蝶野正洋の黒の履歴書」。今回のテーマは「古古米と美熟女グラビア」。

「JAを解体しようとしているのかもしれないね」

ここ数週間、国民の関心事は「コメ」だったね。

コメの値段が高騰したことを受けて、3月から政府の“備蓄米”放出が始まった。

それでもなかなかコメの価格が下がらず国民の不満が高まる中、江藤拓農林水産相が講演会で「コメは買ったことがない。支援者の方がたくさんくださるので、売るほどある」と失言して、事実上の更迭。

後任に小泉進次郎元環境相が抜擢されると、「古古米」の随意契約を開始したことで、ようやく安価なコメがスーパーなどに並ぶようになった。

今回のコメ騒動の原因に、「JA(農業協同組合)の動きの鈍さや、古い体制があるのでは?」という指摘もあった。

もしかしたら進次郎氏は、父親の小泉純一郎元首相が郵政民営化を強行したように、JAをバラバラに解体しようとしているのかもしれないね。

JAは農業支援だけでなく、金融業務などもやっている巨大組織。多分、既得権益でガチガチになっているだろうから、そこを切り分けて市場開放するというのもアリだろう。

ただ、あまりオープンにしちゃうと海外の資本が入ってきて、いろいろ持っていかれる可能性があるのは要注意だ。

農業や食糧政策を他国に握られてしまうのは、国として危険だからね。

今回の備蓄米の一件で進次郎氏の株が上がって、「次の総理決定」なんて声も聞こえてくる。

でも、それは短絡的すぎる。進次郎氏は流れに乗って、政府が既に持っていたカードを切っただけで、自分では何もやっていない。

マスコミはそのあたりを、もう少し誠実に報道しないといけないよね。

過去にどういうことがあって、その先に何があるのか、危機感も含めて伝えてほしい。