30代人妻が風俗嬢として働く理由 「実母と舅の駆け落ち」から始まった悪夢の連鎖

「やっと娘を迎えに行けそうです」

「300万用意できるまでは…と娘を引き取らせてもらえず、週に一度面会に行くだけでした。
しかもその度に『養育費を寄越せ』と言われて、10万も20万も要求されるんです。これではいつまでたっても300万なんて貯まるわけがありません」

それでも必死に働き続けた貴美子さんは、離婚騒動から2年がたった今、ようやく300万円に手が届きそうだという。

「身体はボロボロですし、精神的にも限界寸前ですが、これでやっと娘を迎えに行けそうです」

いわれのない苦境に追い詰められた貴美子さんだったが、それでも喜子さんを責める気持ちはないという。

「母のお陰で姑と夫の冷酷な人間性が分かりましたし、母が幸せに暮らしてくれたら、それで良いという気持ちに変わりはありません」

貴美子さんと娘さんの人生がこの先幸多いものであることを祈るばかりだ。

取材・文/清水芽々

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清水芽々(しみず・めめ)

1965年生まれ。埼玉県出身。埼玉大学卒。17歳の時に「女子高生ライター」として執筆活動を始める。現在は「ノンフィクションライター」として、主に男女関係や家族間のトラブル、女性が抱える闇、高齢者問題などと向き合っている。『壮絶ルポ 狙われるシングルマザー』(週刊文春に掲載)など、多くのメディアに寄稿。著書に『有名進学塾もない片田舎で子どもを東大生に育てた母親のシンプルな日常』など。一男三女の母。