「究極を言えば、ホソミの国を作ること」元横浜ベイスターズ“ドラ1”細見和史が辿り着いた考え

「本当に大切なのは、その後の人生をどう生きるか」

10年前から始まった野球指導。現在は神奈川県のクラブチームで中学1年生チームの監督を務めているほか、自宅のある茅ヶ崎市内で個人的な野球指導も行っている。

細見の指導は押し付けることはしない。

時にやる気がなければ、「何もしなくてもいい」とサボりを促しさえもする。

自分たちが何の目的でここにいるのか、どうなりたいかを選手たちに考えさせ、そのためにどう行動するべきかを理解しなければ、本当の意味での自分がやりたいこと、やるべきことは理解できないからだ。

「僕が見てきた野球界では『これが正しい形だからこうしなさい』と答えを初めから提示してしまう。
でもそれって、実際に自分でやってみて、失敗をしなければ何が悪かったのか本当のところは理解できない。
勝つことを目的にやることは決して間違いじゃない。だけど、本当に大切なのは、その先。その後の人生をどう生きるかですから」

細見は自身の心の軸として、今でも大切にしている言葉がある。

「野球で優勝することも大切だが、それ以上に人生の優勝旗を手にしてほしい」

それは大学時代の恩師、布施健次氏が細見に送ったものだった。

(中編に続く)

「週刊実話」6月19日号より

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