「究極を言えば、ホソミの国を作ること」元横浜ベイスターズ“ドラ1”細見和史が辿り着いた考え

キッカケは子供たちへの野球指導

エンリッチ ライフ ジャパンのHP
“ENRICH LIFE JAPAN”=人生を豊かにする。それが、独立した細見が作った会社の名前だった。

ホームページには“人生をこころ豊かに過ごせる社会を共創する”とある。

柱となる事業は4つだ。

人材育成事業、教育事業、アスリートキャリア支援。そして、健康サロン事業。一見したところ、“ホソミの国”の要素は感じさせない。

「今はこれらのことを高いレベルで実現させるために日々勉強しているところです。その真ん中にあるものは“こころ”です。
メンタルカウンセラーの先生について、企業研修などの手伝いをさせてもらっているんですけど、心の動きを知ることが、これら4つの事業の基本になっています。
ただ、それも独立した時点で、明確なものがあったわけじゃないんです」

プロ野球選手の頃は、相手を蹴落としてでも自分を奮い立たせなければならなかった。

プロが終わり不動産営業になってからも、ドラフト1位でやってきた感覚の延長で『自分が勧める物件が一番いい物件に決まっている』という押し付けがあったという。

当然、結果は生まれない。

細見は自分の失敗から行動を振り返り相手の声を聞き、何を求めているかを考えるようになった。

次第に営業成績が上がり、お客さんからの感謝の声が聞こえることが増えてきた。

それはそれで充実してはいたが、一方で満たされない感覚があった。

「プロ野球を辞めてからは、価値観の多くが生活をすることに主眼を置いていて、もちろん仕事へのやりがいはありましたけど、プロの時代に感じたような、心が躍動することや、ワクワクするような心の動きがほとんどありませんでした。
なぜなんだろう。どうすれば自分の人生が豊かになるのか。それを模索し、いろんな学びと内省を繰り返していく中で、余計なものが削ぎ落とされていく。
明確になってきたのは、子供たちへ野球の指導をするようになってからですね。最初は今から10年ほど前に自分の息子が所属していたクラブチームのピッチングコーチをやったところからです。
そこでの指導で気づいたこと。子供たちへ伝えなければいけないことが、より分かってきたような気がしています」