清原和博とほぼ同期の野球選手、某五輪選手、某アイドル歌手…日本一のゴーストライター・ヤスダアンナが裏話を暴露!

やんちゃキャラで清原和博とほぼ同期の野球選手

ヤスダアンナ(C)週刊実話Web
――誰の本なのか気になります。
ヤスダ「その方は清原和博さんとほぼ同期で、当時はアイドル並みの人気でした。出待ちをしているファンの群れをかき分けて取材現場に入るとき、ちょっとした優越感を抱いたのを覚えています。
取材できるのは練習が終わった後の2時間くらいで、チーム内でもやんちゃキャラの彼は『俺の本なんか売れないよ』『こんな話で大丈夫なの?』と言いながらも、合計7回のインタビューをきちんと受け答えしてくれたんです。
取材現場は笑いにあふれ、チームメイトやライバル選手との球場外でのエピソード、オフシーズンの芸能人との交流話など、スポーツ新聞には書かれない内容が満載で、10万部以上の大ヒットになりました。
ゴーストとしての処女作が売れたことで、次々とお仕事が舞い込むようになったんです」

――ゴーストの極意を掴んだ感じでしょうか?
ヤスダ「そうですね。その選手は関西の方なので、本人の語り口調を生かし、底抜けの明るさと野球に対する負けん気の強さを読者に分かってもらいたくて、書いてるときは、まるで本人になりきっているような気持ちでした。
そうすると、次第に本人の口調で文章が浮かんでくるようになるんです。実際、本人から聞いたエピソードが『足を怪我して自宅のベッドから起き上がるだけでも大変だった』というだけの話だったのに、私の頭の中にはありありと情景が浮かんできて、それをそのまま原稿にしたんです。
そしたら本人から『こんなことまで話したっけ? それとも俺の部屋、覗いてたやろ?』と冗談交じりに驚かれました。
その経験からつかんだことは、相手の気持ちになりきること、相手に共感して、書いてる間だけでも好きでいることが、ゴーストライターには大事だなと思いますね」

――逆に、苦労することもあると思いますが…。
ヤスダ「一番大変なのは、本人が(本を)出したくないときです。タレントさんに多いのですが、プロモーションの一環で出すことになったけど、本人はまったく興味がないケース。
たとえば、後にタレント的な売れ方をした某五輪選手がいました。彼が所属する芸能事務所としては、コメンテーターやレポーターとして売り込んでいくために著作物が欲しかったんでしょうけど、本人はめちゃくちゃノリが悪くて。
最初のインタビューなのに、会話が2時間もたないんです。頬杖ついて生返事をされるばかりで、『こりゃあ1冊にするのは無理だ』と思いましたね。
そこで思いついた苦肉の策が、クイズみたいなQ&A方式。エピソードを聞かなくても資料で書けるような内容で逃げました」