石破首相と森山幹事長が密談90分「消費税、コメ、トランプ関税」を前に参院選正面突破を工作

石破茂 (C)週刊実話Web
石破首相は夏の参院選を前に三つの難題を抱え込んだ。消費税減税とコメ価格の暴騰、トランプ米大統領との関税戦争だ。
江藤農相更迭で野党が勢いを増す中、対応を一つでも誤れば参院選で退場を迫られかねない。首相はいよいよ崖っぷちに追い込まれた――。(全2回中の1回)

私的な食事会を装い密会

「ここはもう、不退転の決意で進むしかないですね」

5月8日夜、東京・四谷の高級日本料理店『さくま』。自民党の森山裕幹事長は、会食に招いた石破茂首相に強い口調で話した。

表向きは首相の妻・佳子さんと森山氏の長女で、政策秘書の友久美さんを交えた私的な食事会だったが、実態は違った。

事情を知る政府関係者によると、佳子さんと友久美さんは15分ほどで席を立ち、別室へ。

残った首相と森山氏はその後、1時間半にもわたり、今後の政権運営に関する極めて重要な「腹合わせ」を行っていたのだ。

議題は多岐にわたった。消費税、コメ価格、トランプ関税、そして参院選後の連立の枠組み…。

「首相がこだわっていた食料品限定の消費税減税は断念し、社会保障財源の確保を最優先にする。これは報じられている通りだ。だが、それだけではない」と政府関係者は語る。

2人は、高騰するコメ価格とトランプ米大統領への鬱憤をぶちまけ合った末、コメの価格をとにかく下げること、そして日米関税交渉は参院選後にもつれ込もうとも、強気の姿勢を貫くことを申し合わせたという。

参院選後の政権の枠組みにも踏み込んだ。

国民民主党ではなく、日本維新の会と立憲民主党を選択肢とすることを確認したのだ。

現在、石破内閣の支持率は危険水域とされる30%前後で低迷を続けている。

この先、「消費税、コメ、トランプ」の三つの爆弾が直撃すれば、7月20日投開票が想定される参院選で、自民、公明両党が非改選議席を含めても過半数を割り、衆参両院で少数与党に転落する可能性が高い。

この事態を回避するには「強気で正面突破を図るしかない」(同)というわけだ。

もちろん、やみくもに強気一辺倒で突っ走るわけではない。

自民党の選挙対策関係者によると、大型連休の前後に、外部の調査機関を通じて参院選の争点に関する世論調査を極秘裏に行っていた。

結果は(1)消費税率維持にも一定の理解がある、(2)コメ価格を下げれば内閣支持率が上がる、(3)トランプ氏を仮想敵にすればさらに上がる――というものだった。

これらが会談に反映されたのは言うまでもない。