蝶野正洋が考える“トランプ大統領と橋本真也の共通点”



「ひたすら耐え忍ぶというのが日本人的な考え方」

日本社会はこれが苦手で、前例を壊せない。

消費税なんて一度下げると上げられなくなるという理由で、まったく手を付けない。

トランプ関税についても右往左往しているだけで、踏み込んだ交渉ができていない。

日本とアメリカはパートナーシップを強調しているけど、日本はアメリカの子会社みたいな立場だから、最終的には従うしかない状況なんだよ。

アメリカ大統領の任期は、1期4年の最大2期(合計8年)と憲法で定められている。

トランプ大統領は2期目で4年後には退任するんだから、それまで我慢しようという意見もあるけど、ひたすら耐え忍ぶというのが日本人的な考え方だよね。

トランプ大統領は在任中、自分の分身みたいな政治家を作って体制を引き継がせると思うから、退任したところで変わらないと思う。

もっと言えば、上にいる金融界の連中が牛耳ってるから、そこから変えていかないとダメだろうね。

日本には、そんな支配的な体制に立ち向かっていける政治家がいない。

もっとビジネス的な視点で駆け引きができる人材が必要だよ。

石川県知事の馳(浩)先生は、そのあたりのセンスを持ってる。

復興予算も普通に申請したら少ししか出なかったところを、政権が変わる直前ぐらいに滑り込みで通して、倍ぐらいの金額を引き出している。

もともと国政にいたから、そのメカニズムとかタイミングをよく分かってるんだよね。

日本の政治・経済は今年の8月には大きな動きがあるとささやかれているけど、国益のために強気で交渉できるような、したたかな政治家が出てきてほしいね。

「週刊実話」6月5日号より

蝶野正洋の黒の履歴書】アーカイブ

蝶野正洋(ちょうの・まさひろ)

1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。