“玉木首相”の隠し玉 国民民主が参院選にイチロー氏を擁立へ

玉木雄一郎 (C)週刊実話Web
【日本球界怪しい雲行き(1)】
国民民主党は夏の参院選比例代表に、今年1月にMLB「野球殿堂入り」したイチロー氏を擁立する調整に入った。「自公国」連立で“首相”を伺う玉木雄一郎代表の隠し球か⁉(全2回中の1回)

比例代表の目玉候補として打診

政党支持率で野党トップを維持している国民民主党の玉木雄一郎代表は「参院比例1000万票」を掲げ、改選4議席から4倍増の16議席獲得に意欲を燃やしている。

その旗頭がイチロー氏だ。

全国紙の参院取材班によれば、当初比例の目玉は菅野志桜里氏だった。

元地検検事で旧民主党時代に衆院愛知7区で3期務め、旧民進、立憲民主を経て2020年に国民民主に入党。玉木代表の下で広報局長などを務めた盟友だ。

しかし、不倫疑惑が報じられ、’21年衆院選には出馬しなかった。

「国会での論戦力があり、憲法問題や子育て支援などで実績のある菅野氏の再登板が今こそ必要だと。そこで擁立を図ったが、出馬の見通しが報じられると過去の不倫疑惑が蒸し返され、予想を超えるハレーション…。
玉木代表自身も知人女性との不倫問題を報じられ、役職停止となった過去があり、決定を見合わせている」(選挙アナリスト)

そこで出馬調整を急ぐのが、イチロー氏だ。以前から愛知県連から推薦があり、出馬を打診していたという。

マリナーズ会長付特別補佐との兼務可能

「感触もよく、榛葉賀津也幹事長は、公示直前に電撃出馬を狙っていた。
が、菅野氏に加えて大阪選挙区で擁立を模索していた日本維新の会前衆院議員の足立康史氏の擁立が連合の反発で事実上消滅し、状況が変わってきた。負の連鎖を止めるには、イチロー氏擁立のアドバルーンが必要との判断」(同)

現在も米シアトルに在住し、マリナーズ会長付特別補佐を務めるイチロー氏だが、これは現場や経営の意思決定には関わらない“名誉職”。当選しても兼任は可能だという。

そのイチロー氏が情熱を注ぐのが全国の高校の野球部での訪問指導。「近年は暴力・暴言・ハラスメントに対する世間の目は厳しく、指導する側が厳しくできない。そこで監督に代わって“ちゃんとやってよ”と伝えるのが自分の役目」と、その理由を説明している。

日本のメンタル野球を後世に伝える「求道者」だ。

’20年の智弁和歌山に始まり、これまで全国11校の野球部を訪問指導。国学院久我山(東京)、千葉明徳、高松商(香川)、新宿(東京)、富士(静岡)、旭川東(北海道)、宮古(沖縄)、大冠(大阪)、岐阜、母校の愛工大名電(愛知)。

強豪校ばかりではなく公立の進学校や離島の野球部の指導にも力を注いでいるのだ。

【日本球界怪しい雲行き(2)】へ続く

「週刊実話」5月22日号より