“イチロー議員”が狙う甲子園大会の「1校の格差」是正

イチロー (C)週刊実話Web
【日本球界怪しい雲行き(2)】
国民民主党は夏の参院選比例代表に、今年1月にMLB「野球殿堂入り」したイチロー氏を擁立する調整に入った。「自公国」連立で“首相”を伺う玉木雄一郎代表の隠し球か⁉(全2回中の2回)

玉木代表&榛葉幹事長も野球経験あり

イチロー氏が取り組もうとしている政策が、選挙での「1票の格差」是正ならぬ、甲子園大会の「1校の格差」是正という。

「昨夏の甲子園の各地方大会の出場校は最多が愛知(173)、最小は鳥取(22)。出場格差は7.9倍。これを是正すれば、確かに公立校の出場機会が増える」(文科省関係者)

この“イチローイズム”に共鳴するのが、玉木代表&榛葉賀津也幹事長だ。共に名門公立高の出身で中高時代に野球経験を持つ。

玉木代表は香川県寒川町(現さぬき市)の中学時代、野球部でキャプテンを務めた。

県立高松高に進学したが、地元には野球強豪校の私立寒川高があり、そちらに進んでいれば、ココリコの遠藤章造(2学年後輩)とプレーしていた可能性があったという。

榛葉幹事長は静岡県立掛川西高の野球部出身。本人は万年補欠で三塁コーチが専門だったと振り返るが、当時、交友していたのが、同い年で静岡東高の主砲だった電気グルーヴのピエール瀧だった。

両氏共に野球にまつわる経験が豊富なだけに、全国の高校を訪問指導するイチロー氏を評価。“単独1位指名”を狙っている。

その一方で、イチロー氏は、自身の草野球チーム「KOBE CHIBEN」と高校野球女子選抜とのエキシビションマッチを毎年実施している。

4回目となる昨秋は松坂大輔氏(44、元レッドソックス)に加えて、新たに松井秀喜氏(50、元ヤンキース)を招き、17対3で圧勝した。

自民凌駕の得票数なら連立に追い風

「イチロー、ゴジラ」には不仲説があった。

’06年のWBCに松井氏が不参加だったことに、当時中心メンバーだったイチロー氏が怒り、確執が続いていると…。

しかし、女子野球普及支援という趣旨に松井氏が賛同し参加を申し出て、関係が修復した。

「当然、玉木氏はゴジラの支援を織り込んでいる。イチロー氏が出馬すれば、松井氏が一肌脱ぐだろうし、古巣関西の維新支持層も取り込める。
目標の比例1000万票どころか、自民を凌駕する可能性だってある。そうなれば、自公と連立しても“玉木首相”の目が出る。そこがイチロー氏擁立の狙い」(国民民主党サポーター)

イチロー氏は国民栄誉賞を小泉純一郎首相から2度(’01年、’04年)、安倍晋三首相から1度(’19年)打診されたが、いずれも辞退している。

愛知県民は「与党より、独立性のある少数野党を好む傾向」が強い。その点、国民民主は親和性がある。

「長らく謎だったイチロー氏の高校野球指導や、プロ野球の監督オファーを辞退し続けているのも、狙いが永田町参戦なら合点がいく。
今年1月に日本選手初のMLB殿堂入り(メジャー19年間で3089安打)を果たしたばかり。その年に国政挑戦。これ以上のタイミング、追い風はない」(スポーツ紙記者)

今のところイチロー氏は沈黙を続けているが、GW明けにも決断を下す可能性がある。

今後の国民民主の動きから目が離せない。

「週刊実話」5月22日号より