小沢一郎&玉木連合vs高市早苗の仁義なき“ポスト石破抗争”

高市早苗 (C)週刊実話Web
【参院選政局モード突入2】
あっという間に終わった大型連休のゴールデンウイーク。与野党の議員は地元で有権者の厳しい声に接し、政治不信の根の深さを感じたに違いない。与野党ともに夏の参院選を前に、政局モードに突入しそうな勢いだ。
立憲民主党の小沢一郎総合選対本部長代行は本格的に動き出し、自民党の高市早苗前経済安全保障担当相は「ポスト石破」に向け発信を強めている。“天下分け目”の夏に向け政局の主導権を握るのは誰だ!(全2回中の2回)

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高市早苗氏が「石破おろし」の先頭に?

高市早苗前経済安全保障担当相は、昨年9月の自民総裁選の決選投票で石破氏に敗れたとき「3年間は総裁選はない」と意気消沈していた。

しかし、参院選で非改選の議員と合わせて全体で与党が過半数割れをするなど、自民が大敗した場合は「石破おろし」の先頭に立つことになるだろう。

高市氏が4月にインターネット番組に出演した際、先の総裁選で石破氏の選対本部長を務めた岩屋毅外相について「もともと保守系の方ではない。長い国会議員生活で一つだけ恨みがあるとしたら…私の議員立法を潰しました」と語った。

全国紙政治部デスクは「この発言からは、保守ではない石破政権は退陣願いたいとの思いがにじんでいます。ある調査で高市氏の支持が高かったので、本人は自信を取り戻しているのかもしれません」と話す。

その調査とは、ロイター通信が日本企業を対象に4月に行ったもの。505社に調査票を送り、222社が匿名を条件に回答した。

同調査によると、次期首相に最もふさわしい候補者は、高市氏が30%、石破氏の続投が10%、林芳正官房長官と国民民主の玉木雄一郎代表がそれぞれ8%だった。

消費税減税について「私は、大賛成です」

高市氏は政策面でも発信を強めている。

NEWSポストセブンのインタビューで消費税減税について「私は、大賛成です」と答えている。

Xでも、森山裕幹事長が講演で「財源の裏付けのない減税政策は国際的な信任を失う」と述べたことに対し、「『減税』や『賢い政府支出』の必要性」を指摘した。

森山氏に反論することは、石破執行部に牙をむくことに他ならない。

次期首相有力候補に名前が挙がるようになった国民民主の玉木代表は4月の記者会見で、参院選後に他党との連立政権に参加する可能性を問われ、「手取りを増やすような枠組みであれば協力するし、増やせないような枠組みであれば協力しない」と述べ、国民民主が掲げる政策の実現に寄与するのであれば、あり得るとの考えを示した。

玉木代表が、ここまで踏み込んだ発言をするのは初めてだ。

「自民には玉木首相容認論が広がりをみせている。その玉木氏を首相にしようとしているのは小沢氏も同じ。そこに割って入ろうとするのが高市氏という情勢です」(政界関係者)

ポスト石破は玉木氏か高市氏か。政局はこの2人を軸に、さらには小沢氏を加える形で展開していく。

「週刊実話」5月22日号より