春風亭一花、落語界タブーの同業者結婚を振り返る「中学生のデートみたいでした(笑)」

噺家同士の夫婦は2組目

春風亭一花 (C)週刊実話Web
――互いの師匠を説得し、ゴールインするわけですが、前例がないわけじゃない。
一花「そうなんです。噺家同士は珍しいのですが実は私たちは2組目で、“初代”は柳家小八・弁財亭和泉師匠のお2人。とてもよくしていただいて、『家事は無理しないで頼って甘えなさい』など(笑)、たくさんのアドバイスもいただきました。
私たちの後、3組目が登場することを密かに願ってはいるのですが、ハードルは高いかもしれませんね」

――口調もサバサバされているので、廓話とか艶話は無縁なようにお見受けしますが…。
一花「女子校出身ですし、性格的にはサバサバしているかもしれません。でも、(艶話は)ガンガンやりますよ(笑)。『三枚起請』とか『明烏』とか。
私は良くも悪くもそんなに色気があるタイプじゃないので、そこがいいところだと思うんです。声色はあまり意識せず、そのまんまで演じさせてもらってます」

――好きな演目はどういうのでしょう?
一花「たくさんありますが、師匠の一朝が生粋の江戸っ子なので、江戸っ子が出てくる噺は大好きです。とても穏やかで優しい師匠ですが、言葉遣いには厳しいんです。
江戸弁のイントネーションは難しいです。噺に良く出てくる『五十両』って、最初にアクセントを付けて発音しがちですが、江戸弁では平坦に話すんです。
用語でいえば、『ど真ん中』とよく言いますが、あれは『まんまん中』。綺麗というか、まろやかですよね。あとは夫婦が出てくる『厩火事』とか『粗忽の釘』も楽しくて好きですね」

――新作落語にも挑まれてるそうですね。
一花「いま、源氏物語を現代風にアレンジした新作『一花絵巻~げんじものがたり~』に取り組んでいます。平安時代の雅な感じではなく。現代風、落語の形にしてやれないかと思ったのがきっかけです。
古典落語は基本は男性のテーマにそって伝わっているものがほとんどなので、女性の気持ちやテーマになるものを考えていました。登場人物も小学生の女の子2人が源氏物語を語る形にしました」

――艶っぽい話なのに?
一花「小さい子が源氏物語について会話すると軽くポップになるんです」

――なるほど、分かりやすいです。
一花「ここから会話する2人の成長譚と源氏物語とリンクしながら第四帖までを予定しております。5月12・13日の第三帖はおかげさまで完売。第四帖は7月を予定しております。ぜひ興味を持たれた方は聴きにいらしてください」

「週刊実話」5月22日号より

【関連】学園祭クイーン・緒方かな子「テレビでの活動も考えています」23歳で結婚、芸能界引退、子育てを振り返る ほか

風亭一花(しゅんぷうてい・いちはな)

1987年1月26日生まれ。東京都台東区出身。落語協会所属。「一花絵巻~げんじものがたり~第三帖」はアートスペース兜座(東京・日本橋)にて。X:@ichihana_s