“ライブドア騒動”から20年…フジテレビ再建に必要なのは「内部の力」か「外部の力」か

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【ホリエモン「フジテレビ経営権」奪取の怨念(3)】
6月の株主総会を前に、フジテレビの役員人事が熾烈を極めている。 物言う株主の投資ファンドなどが新役員候補を送り込もうとしており、新たな大株主を含めると、登場人物は2005年のライブドア騒動を彷彿とさせる。20年越しに悲願は達成できるのか――

【ホリエモン「フジテレビ経営権」奪取の怨念(2)】

野村絢氏は11.81%を取得

旧村上ファンド・村上世彰氏の長女・野村絢氏や運用会社・レノなど1個人、3法人はフジ・メディア・ホールディングス(FMH)株の11.81%を取得した。 

大量保有報告書によると、保有目的は「投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと」としている。 

旧村上ファンド系、SBIグループ、堀江貴文氏、ダルトンの4者が保有するFMH株を合わせると、既に20%を超えている。 

昨年9月30日時点の上位株主(保有者が公表されていない資産管理銀行は除く)は、東宝7.93%、文化放送3.33%、NTTドコモ3.29%、関西テレビ放送2.81%、ヤクルト本社1.69%だ。 

「多数派工作を展開する可能性が高い」

金融に詳しい専門家は「FMHの株主総会では、ダルトンが経営陣の刷新を求める提案を行うだけでなく、その他のアクティビストもさまざまな提案をしてくるはず。旧村上ファンド系やSBIグループ、堀江氏、ダルトンの4者は今後、既存株主を仲間に引き入れる多数派工作を展開する可能性が高い」と指摘する。 

業界内には「テレビ業界を知らない人物に経営を任せるのはいかがなものか」との意見がある一方で、「失った信頼を取り戻すには外部の力しかない」との声も少なくない。 

4月17日、会見を行った先のSBIホールディングス 北尾吉孝氏はFMH側に対し、「敵対するなら徹底的に勝負する」と経営改革に意気込んでみせた。 

同日夕方にフジテレビも会見を開き、FMHの金光修社長は「敵対する立場ではなく、検討していきながら我々の考え方をまとめていきたいと思っています」との考えを示した。

だが、4月30日に金光社長と社外取締役3人が、6月の株主総会をもって取締役を退任すると発表された。

フジテレビを巡る騒動は日々動向が伝えられているが、この行く末がテレビ業界全体に影響を及ぼすことは間違いない。 

「週刊実話」5月8・15日合併号より