プーチン、習近平、金正恩がトップ会談か 5月の「対ナチス・ドイツ戦勝記念日」で実現する可能性

軍事パレードには“盟友”北朝鮮軍も参加予定

来たる5月9日に行われる軍事パレードでは、北朝鮮軍も参加する予定だ。

「実は、10年前の70周年のときも正恩氏自身はモスクワに行く気満々で、4月に先遣隊をモスクワに派遣しています。北朝鮮側は軍事パレードの際、正恩氏の席をプーチン氏の隣にしてほしいなど、あれこれ注文を付けましたが、ロシア側からの答えはいずれも『ニエット』(ノー)でした。
それで当時の先遣隊のトップ玄永哲・人民武力部長(国防相)は“手ぶら”で帰国せざるを得ませんでした。その結果、玄部長は『最高指導者に恥をかかせた』として公開処刑にされてしまい、正恩氏の訪ロ計画もご破算となったのです」(国際ジャーナリスト)

ところが、それから10年経って北朝鮮の立場は大きく変わり、ロシアにとって兵士と武器弾薬を提供してくれる「最大の盟友」となった。

加えて、プーチン氏は停戦後の占領地域のインフラ整備でも安価で勤勉な北朝鮮兵士の助力を仰ぎたい意向。当然、プーチン氏も招待したはずで、正恩氏もモスクワを訪問したい…。

ここでネックなのが中国の存在だ。

朝鮮戦争を共に戦い、つい最近まで「血で固めた友情」などと盟友関係にあった北朝鮮と中国だが、最近の北朝鮮によるロシア傾斜により、両国の間には隙間風が吹いている。

現在、両国間の関係は相当冷え切った状態だ。

「北朝鮮としてはモスクワでの3者会談を経て、なんとか中国との関係を元に戻したい。ただ、国際社会に対してのメンツを気にする習近平主席が、国連安保理から制裁を受ける北朝鮮との関係を正恩氏と会ったところで、すんなり改善するかどうかは分からない」(前出・ウォッチャー)

プーチン氏としては、中朝の間に隙間風が吹いている中、自身の判断で両者をモスクワに呼ぶことは難しい。

そこで2月にショイグ国家安全保障会議書記(前国防相)を北京に送り習氏と会談させた。

「ショイグ氏は、習近平サイドから色よい返事をもらったようで、3月に平壌で正恩氏にその旨を伝えたと考えられます」(前出・外交関係者)