“心の問題”が社会問題化「メンタルやフィジカルをヘルスコンシャスな状態へ持っていく」重要性を『Deportare Club』竹下雄真代表が説く

最大の敵は自分で自分を諦めてしまうこと

竹下雄真氏

健康革命。まっとうな人生を歩むために、身体と心の健全が何よりも大切だということは、誰しもが皆、分かってはいても、今が動ける身体であるが故におざなりにしてしまう傾向がある。

健康は何もお金を掛けてパーソナルジムに通わなければ得られないものではない。家での腹筋や腕立て伏せ10回でも、最寄りの駅からひと駅遠く歩くだけでも続けることで得られる健康はとてつもなく大きい。

ただ、そこを実行に移すのは自分の心だ。

最大の敵は、自分で自分を諦めてしまうこと。「どうせやってもムダ」、「面倒くさい」と、自棄してしまうことで人生が良くなる可能性も捨ててしまっていることに気付かなければならない。

「もしも今生活がうまくいっていないとするならば、食や運動習慣を変えるだけで、うまくいっていないレイヤーから抜け出せる可能性はあります。フィジカルさえ良くなればメンタルも自ずと良くなっていきます。“人類の進化”は筋量や知能が今より120%増えるというイメージを持っているかもしれません。

でも、実際今、世の中にこれだけメンタル不調の人が多くて、SNSでは人の悪口をイライラして書き込んだり対立を煽って再生数を稼ぐやり口を面白がるような現状に『そうじゃないだろう』と思い、自分を変えることだって十分な進化ですよ。身体と心が整い、安定してくれば、物事をポジティブに捉えられるようになりますし、もしも悪意を向けられたとしても、落ち込むようなことはなくなるはずです」

現状が悪いのはすべて自分の責任だということは分かっている。このまま寿命が尽きるまで他人と世間のせいにしながら、悪意と情欲と不健康の螺旋の中で野垂れ死ぬか。少しだけでも意識を変えて今よりも「よりよく生きる」ための一歩を踏み出すか。

竹下の話を聞いていると、自然と前を向こうという気になるのは彼が一流のトレーナーだからか。

いや違う。これまでの2週の連載で、こういう類いの人物評伝に付きモノの“挫折”の要素が一つも出てこない。竹下はこれまでの人生で挫折した記憶がないというのだ。