「その子供堕ろせない?」“おめでた”女性社員に中絶を持ち掛けた有名IT企業の非道

画像はAIで生成したイメージ
現在はフリーのITエンジニアとして活動している森口由香里さん(仮名・30代)はかつて、有名ソフトウェア会社『N』に勤務していたのだが、あまりのブラックぶりに退社した。

「大学の理工学部を卒業後、専門学校で本格的にITを学び、24歳の時にNに技術者として入社しました。入社当初から目が回るような忙しさで、週の半分は終電に飛び乗っていましたね。とにかくやることがたくさん有り過ぎて、週末は近くのビジネスホテルに泊まって休日出勤していたくらいです」

【関連】凄まじい離脱症状、鬱、家庭内暴力…語学留学で人生を棒に振った「薬物サバイバー」の恐ろしき末路 ほか

当時、由香里さんは現在の夫である拓也さん(仮名・30代)と交際中だったがデートどころではなく、将来を誓いあった仲にもかかわらず拓也さんとの関係は冷えて行く一方だった。

「お互い、このままではダメになると危機感を持ったので思い切って結婚することにしたんです。同じ家で暮らしていれば顔くらい見られるだろうって」

結婚して間もなく由香里さんは妊娠。会社に報告するも業務内容は変わらず「納期」を理由とした激務に追われているうちに切迫流産で入院することになってしまう。

担当医からは「最低でも1カ月は入院、もしくは絶対安静」と言われた由香里さんだったが、上司から「2週間以内に復帰しなかったら解雇を検討する」というメールが届いたため強引に退院し、その足で出社した。

「その日は溜まっていた仕事を片付けるために会社に泊まりましたが、さすがに明け方にめまいを起こしたので医務室で休んでいました」

青白い顔でベッドに横たわる由香里さんに対して、様子を見に来た上司が発したのは心配や労いではなく「その子供堕ろせない?」という非道な言葉だった。

さらに上司は「もちろんタダでとは言わない。中絶手術のためなら1週間の特別休暇をあげてもいいし、見舞金も50万出す。なんなら特別な精勤手当として、さらに50万出しても良い」と持ち掛けたという。

「思わず、自分の耳を疑いましたよ。だって上司は『お腹の子供を殺せ』と言っているわけですよね? ふざけるな!と思いました」