“日米公式リーグ交流戦”解禁へ ドジャース&カブス日本開幕戦の成功が決定打に

大谷翔平インスタグラムより
東京開幕シリーズの成功で、MLB(米大リーグ)とNPB(日本野球機構)の関係が新たな局面に入った。ファン待望の「日米両国リーグの公式交流戦」実施だ。2027年の解禁へ向け、下準備が始まっている。

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現時点でNPBとMLBの交流戦は不可能に近いが…

アメリカは来年、独立宣言から250年を迎える。MLBはその記念行事として「2026年オールスターゲーム」にNPBの球宴選出メンバーを招待し、“日米決戦”を開催する段取りを進めている。

「この試合を橋頭堡に、長年の懸案事項だった日米両リーグの公式交流戦を解禁しようと。実証実験です」(MLB関係者)

現時点では、NPBとMLBがシーズン中に交流戦を組み込むのは物理的に不可能に近い。だが、移動時間の問題が解決し、MLB選手会の協力が得られれば、大きな障害は消える。

「オールスターゲームは、日米共に前半戦終了時に行う。MLBの球宴は毎年1試合だが、日程を延ばし、日米のオールスター交流戦を組み込むアイデア。うまくいけば、シーズン中の日米交流公式戦が見えてくる」(同)

’26年の米オールスターゲームは、フィラデルフィア(ペンシルベニア州)で開催する。

アメリカにとって、’26年はメモリアルイヤーだ。1776年にフィラデルフィアで独立宣言が発表されてから、ちょうど250年にあたるからだ。

同州は、昨年の米大統領選で共和党のドナルド・トランプ氏(78)が、民主党のカマラ・ハリス副大統領に得票率1.7%差で辛くも勝利したラストベルト地帯で、共和党にとって最重要州だ。

日本製鉄が米鉄鋼大手のUSスチールの買収を発表し、その後すったもんだが続いている地でもある。

政権の支持率アップと日米の融和を急ぐトランプ大統領は、MLBのコミッショナー、地元球団フィリーズのオーナー、州知事、市長と共に米球宴に出席。始球式を予定しているという。

’26年は春にWBC(ワールドベースボールクラシック)が行われるが、こちらの米国チームはMLBの若手が中心。一方、球宴はビッグネームが勢ぞろいする。

WBCで日米どちらが優勝しても、リベンジ戦となり、世界中が注目するカードとなるのは確実だ。

「しかも、大谷翔平がシーズン中にドジャースのユニホームで日本のオールスターメンバーと対戦するのは初めて。お宝写真・映像となり、スポンサーはさらに増える」(大手広告代理店)

問題は’26年の日本のオールスターゲームが、能登半島地震の復興支援として「富山市民球場(アルペンスタジアム)」で開催する方針が決まっていることだ。