石破首相「最短4月冒頭」衆院解散を画策? 国民民主党は100議席超えを獲得か【春の政治ドキュメント1】

石破茂首相 (C)週刊実話Web
自民党の衆院1期生15人に10万円ずつの商品券を配り、激しい批判を浴び窮地に陥っている石破首相。自民党内からは首相交代論が公然と噴き出している。

退陣に追い込まれるのか、一か八かの衆院解散に踏み切るのか。

政局はにわかに緊迫の度を増している――。(全2回中の1回)

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首相が会食中に激怒

「どういうことだ。なんで自分だけが悪く言われなければならないんだ。これまでずっとやってきていることなんだろ」

3月13日夜、東京・紀尾井町のホテルニューオータニの日本料理店で、かつての政治改革仲間だった元衆院議員らと会食中、石破茂首相が周囲に怒鳴った。

共同通信が「首相、自民1期生に商品券10万円」との番外を打ち、全国の加盟新聞社や民放契約社に一斉に記事を流したからだ。

共同の配信端末は首相官邸にもあるため、公邸に入った首相の元に記事はすぐに届けられた。

共同とほぼ同着の朝日新聞や、読売新聞など主要メディアも続々とネットで報じる中、首相は深夜に官邸詰めの記者を公邸に集め「政治資金規正法には違反しない」と釈明に努めたが後の祭りだった。

首相が口にしたように、歴代首相がこうした金品を配ってきたのは、永田町では常識だ。

事情に通じた自民党関係者によると、岸田文雄前首相も同額分の商品券を配り、安倍晋三元首相は20万円分の「スーツ仕立券」を渡していた。

民主党政権でも、現立憲民主党の野田佳彦代表が首相時代に、閣僚や国対メンバーらが「お祝い」や「打ち上げ」などの名目で、現金10万円入りの封筒を受け取っている。

だが、「政治とカネ」問題で国民世論が敏感になっており、企業・団体献金禁止の是非を巡り、国会での議論が大詰めを迎えているタイミングで、清廉なはずの石破首相が“永田町文化”そのままに商品券を配ったことへの批判は激しかった。

報道各社の世論調査で内閣支持率は、朝日が前月の40%から26%へと急落したように軒並み数字を大きく落とし、一気に政権運営に赤信号が点ることとなった。

この事態に永田町は即座に反応した。

2025年度予算の成立後、立憲民主など野党が内閣不信任決議案を提出し、野党多数の衆院で可決すれば、石破首相は局面転換のために解散を断行する可能性があるとして、最短で「4月1日解散、同15日公示、27日投開票」といった複数の衆院選日程案が出回り始めたのだ。