“ダウンタウン不在”で高学歴芸人がお笑い界を席捲 『R-1』王者・友田オレは早稲田卒

ダウンタウン (C)週刊実話Web
3月8日にピン芸ナンバーワン決定戦『R-1グランプリ2025』決勝戦が開催され、フジテレビ系で放送された。

『M-1グランプリ』が国民的行事になった現在、各お笑い賞レースが注目を集めているが、その審査基準や評価されるネタの傾向には大きな違いがある。

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2025年の『R-1』で優勝したのは、芸歴3年目の友田オレ。彼は早稲田大学のお笑いサークル出身であり、近年の『M-1』でも見受けられるような高学歴芸人の台頭を象徴している。 

しかし、『R-1』と『M-1』には決定的な違いが存在する。知的な構成を持つネタが『M-1』で評価されやすい一方、『R-1』では評価されにくい傾向にある。 

例えば、今年の『R-1』では工学部あるあるをネタにしたヒロ・オクムラが最下位となり、日本語学校を題材にしたマツモトクラブも6位に留まった。 

大学お笑いサークル勢が時代を席捲中

「『R-1』ではシンプルで分かりやすいネタが好まれやすく、2025年大会の決勝進出者もイラストや小道具、歌ネタといった視覚的・聴覚的に即座に理解できるものが中心だった。対して、『M-1』では構成力や論理的な展開が評価される傾向にある。この違いがある中で、友田オレは、あえて分かりやすい歌ネタを選び、『R-1』の審査基準に適応した戦略をとったことで優勝を果たしたとも考えられる」(自称・お笑い評論家) 

昨今のお笑い賞レースでは、ミルクボーイや令和ロマンを筆頭とした、大学お笑いサークル勢が席捲しており、昨年の『M-1』は、令和ロマン&真空ジェシカvsバッテリィズという構図に注目が集まった。 

「バッテリィズがお笑いファンから評価されているのは、高学歴芸人が持て囃されている時代に“おバカ漫才”が復活したからというのも一因としてある」(同) 

日本のお笑い文化は、海外のヒップホップ文化と比べられることがある。東vs西、マイク1本での成り上がりといったイメージが重なるためだろう。 

そういった“考えずに笑える時代”を席捲したのはダウンタウンだった。しかし、現在は令和ロマン・高比良くるまや、霜降り明星・粗品が笑いの構造を言語化して“考えて笑える時代”が到来している。 

ダウンタウンの2人が不在となった現在、お笑い界の地図はまた着々と塗り替えられていくことだろう。