農水省の備蓄米放出は焼け石に水 中国人転売ヤーが「日本は無茶苦茶。カオス」と反論するワケ

画像はAIで生成したイメージ
「令和の米騒動」は鎮火するのだろうか。

2024年夏頃から品薄が日常になり、価格高騰で家計をじわじわと圧迫。消費マインドに冷や水を浴びせ、一般庶民の家庭にパンや麺類などへの切り替えすら迫った主食の危機。

この想定外の騒動の主な原因は、

・2023年夏の記録的な猛暑による生産量の減少

・インバウンド(訪日外国人観光客)の増加による需要の急増

・米余りを解消するために実施されてきた減反政策の不備

――とされる。

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5キロで1000円以上、1.5倍に値上がりしたところで、どこか他人事を漂わせるワイドショーのコメンテーター諸氏はさておき、事態を重く見た政府も2月13日、米価格の高騰に対処するため、最大21万トンの政府備蓄米を放出する方針を固めた。

また、江藤拓農林水産相は3月4日、「21万トンでなかなか流通の改善が見られないということが確認されれば、機敏に機動的に追加を行うということを考えている」と備蓄米放出について、さらに量を拡大する方針を明らかにした。

流通円滑化を目的とした放出は初めてのことなので、よほど深刻なのだろう。

名指しで批判された農林水産省は、値上がりを期待する農家や小規模業者が米を抱え込んでいるのが原因と見ている。

その真偽はともあれ、主食を投機目的で買い占める行為に批判が集まるのは当然で、その矢面に立っているのが中国人転売ヤーだ。

自業自得とはいえ、商売上手なところも仇になった。

「本日限りの価格です。明日には大幅値上げします」

「来週にはアカウント内の投稿を削除する予定です。すぐに売り切れるから」

こう煽りながら、購入希望者が公開チャット上で価格を尋ねると、「今からDM(ダイレクトメッセージ)します」と販売価格を公開しない狡猾さは、さすが中国人といったところ。

日本の現行法では、米の転売は年間20トン未満は届出不要。トレーサビリティ法により流通経路を記録する義務があるだけで、怠った場合も最大50万円の罰金(の可能性)のみ。転売ヤーのような不届き者が容易に参入できる法制システムの脆弱性を突かれたかたちだ。