違法ドラッグにハマり一家離散!“薬物サバイバー夫婦”が見た「地獄」と「幸福」

画像はAIで生成したイメージ
昨年夏、北関東のとある新興住宅地に4人家族が引っ越して来た。

家族構成は60代の父親と40代の母親、共に20代の息子と娘。住居である4LDKの建売住宅は、息子と娘が共同でローンを組み「10年ぶりにそろった家族のため」に購入したものだったという。

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この家族は両親が薬物中毒になったことで、10年間バラバラに生活していたのである。

母親の由美子さん(仮名)が取材に応じてくれた。

「私たち夫婦が薬物にハマったのは20年以上前のことです。当時子供たちは可愛い盛りで私も夫も3人目、4人目の子供を望んでいたのですが、仕事のストレスからか夫がEDになってしまったんです。子づくりのこともありましたが、夫婦の年齢差を気にしていた夫は、私を性的に満足させられないことを気にしていたようで、同僚に相談したところそれを補う違法ドラッグを渡されました。それがすべての始まりでした」

由美子さんの夫は建設業を営み、「ひとり親方」としてあちこちの現場に顔を出していたため、素性のはっきりしない職人仲間との交流もあったそうだが、夫に薬を渡した人間(仮にAとする)もそのうちの1人だったという。

「Aがくれた薬は効果てきめんで、夫も私もすぐに乱用するようになりました。当然2回目からは買うことになりましたが、1回分で2万円のその薬を買うために私たち夫婦は蓄えを失くし、借金までするようになったんです。しかも薬を使っての、あられもない性交渉は子供たちが不在の昼間しかできないため、私も夫も仕事を休みがちになり、とうとう食べるにも困るような生活になりました」

夫婦は精神疾患を理由に生活保護を受けながら暮らし始めるが、薬物から足を洗うことは不可能な状態に陥っていた。