八方塞がりの打開策は鉄オタ!? 石破首相が維新・前原&公明・斎藤「鉄ちゃん3連合」路線を模索



前門の企業・団体献金、後門の夫婦別姓問題

確かに、昨年の臨時国会で自民党が政策活動費の廃止に同意し、政治改革関連法が成立したのは、斉藤氏が首相に強く働き掛けたことが大きかった。

年末年始にかけて首相の発言で取り沙汰されるようになった衆参同日選は、斉藤氏が首相に「強い反対の意向を伝えた」(政府関係者)ことで下火になった。

首相は政権基盤が脆弱で、自民党内の人脈も細かったが、政権発足から4カ月を超え、前原、斉藤両氏との蜜月関係を維持することで「ようやく政権運営の軸ができつつある」(同)のだ。

3人には「鉄道好き」=「鉄ちゃん」という共通点があるのも偶然ではないだろう。

では、与党である石破首相と斉藤氏は、この先の政局をどのようにしたいと考えているのか。

先の政府関係者は「当然のことながら、与党で参院選にいかに負けないようにするかを考えている。ここで重要になってくるのは企業・団体献金と選択的夫婦別姓の扱いだ」と話す。

予算案が3月初旬にも衆院通過すれば、参院は与党が多数のため予算成立は確実になる。

その後の国会における最大の焦点は、自民党派閥裏金事件の流れを受けた企業・団体献金の扱いと、選択的夫婦別姓問題であるのは論を待たない。

「立憲民主党はこの2つで自民党の消極的な姿勢をあぶり出し、参院選に向けて自民党を追い込んで政局にしようとしている。出方次第では参院選で与党は沈み、石破首相は退陣に追い込まれかねない」(同)

政府関係者によると、首相は状況を打開するため、企業・団体献金については選挙制度審議会に諮問できないか模索していること、選択的夫婦別姓については、自民党として検討の速度は上げるが、意見集約の期限は設けないことを斉藤氏に伝えたという。