【2025年の大予言】日本国民の多くが飢餓状態に!?「コメ不足」の根底にある問題は減反政策と農業従事者の高齢化



「コメが不足している」と言えない理由

そうしてみると、コメ不足の根底にある問題は、やはりコメの生産を減らしすぎた政策に原因があったと考えられる。

日本の減反政策は「稲作用の水田耕地が余っているなら、それを畑にすれば補助金を出す」ということで推し進められてきたが、ここにきてコメの需要と供給はギリギリの状態になっていた。

そこにいくつかの要因が重なれば、一気にコメ不足の状態に陥るということが、このたびの騒動で明らかになった。

今後はこうした事態が、さらに増えるものと予測される。

最大の問題はコメの作り手の減少で、農業従事者の高齢化に歯止めがかからない状態が続いている。

農水省の統計によると、2023年度の農業従事者の平均年齢は68.7歳で、2019年の67.1歳から毎年上昇している。

また、基幹的農業従事者(主に自営農業で生計を立てている者)における65歳以上の割合は、2019年の64.8%(基幹的農業従事者175.7万人のうち65歳以上は114万人)から確実に増加していて、2024年は70.7%(基幹的農業従事者116.4万人のうち65歳以上は82.3万人)となっている。

これを見ると日本の農家は、一般企業なら定年退職になる年齢層の人たちが7割を占めており、それによってなんとか支えられていることが分かる。

その65歳以上の人たちも、5年のうちに30万人以上も減っている。

このような状況がこの先10年も続けば、日本の農業の担い手はさらに減少して、農業と農村が崩壊してしまう。

政府と農水省は「コメは余っている」などと言っている場合ではない。

農家の問題は高齢化だけではなく、物価上昇のあおりを受けて燃料や肥料などの生産コストが上昇し、もはやコメは経費が販売価格を上回る値割れ状態にある。

にもかかわらず、既存の農家の稼ぎを減らすようなことをしていたのでは、とても稲作を続けることはできない。

政府は目先のカネ儲けを提唱し、輸出用作物の生産や合理化によるコスト削減などを進めるばかりで、そんな短絡的な政策が「コメ不足」を顕在化させたともいえる。

どういうわけか政府や農水省の役人たちは、いつまでも「コメは不足していない」と言い張り続けている。

「コメが不足している」と言ってしまうと、自分たちが進めてきた減反政策が誤りだったことを認めることになり、それはプライドが許さないということなのだろうか。

【後編に続く】

『検証 2025年の大予言』(小社刊)より