不倫、パパ活、風俗勤めのママ友の“アリバイ作り”で荒稼ぎする町工場オーナー夫人の巧みな悪事



「エア従業員」で脱税も…

「聡美さんが誰かと出かけることになっている時には、彼女のフリをして外出先の画像を投稿したり、ママ友のSNSにアリバイを裏付けるような投稿をすることがしょっちゅうありました。あんまり詳しく言うと『聡美さん』が特定されちゃうので話せないんですけど、要はそうやって後ろ暗いことをやっているママ友とかに協力することでお礼をもらっているんです。具体的な金額については『ケースバイケース』という感じみたいですが、聡美さんはいつも『会社からもらっている家族待遇の給料より全然儲かる』と言っていたので、月に20万くらいは受け取っていると思います」

また、聡美さんはそういったママ友たちを「エア従業員」にすることもあるという。

「主に風俗勤務とかパパ活をしているママ友が対象です。就業証明書も出せるので託児所にも預けられるし、家族に対するアリバイも完璧です。勤務実態がないエア社員でも帳簿上は給料が発生するので、それは会社の裏金として二重帳簿に記載されています。エア社員がいることで脱税もできるから一石二鳥ですよ。これもすべて、聡美さんが事務方を仕切っているからできることなんだと思いますが、大胆だなと思います」

気になるのは家族の反応だが、聡美さんの家族は彼女の副業という名の悪事に気がついていないのだろうか?

「気がついてないと思いますよ。気がつかないというより想像もできないんじゃないかな? 何しろ聡美さんの身内は彼女を信用していますし、聡美さんは言ってることもやってることも抜け目がないんです」

「口八丁手八丁」とはこのことか。

取材・文/清水芽々

清水芽々(しみず・めめ)

1965年生まれ。埼玉県出身。埼玉大学卒。17歳の時に「女子高生ライター」として執筆活動を始める。現在は「ノンフィクションライター」として、主に男女関係や家族間のトラブル、女性が抱える闇、高齢者問題などと向き合っている。『壮絶ルポ 狙われるシングルマザー』(週刊文春に掲載)など、多くのメディアに寄稿。著書に『有名進学塾もない片田舎で子どもを東大生に育てた母親のシンプルな日常』など。一男三女の母。