30年以内発生率「80%程度」に上昇! 迫る「南海トラフ」巨大地震のXデーは果たしていつか?



都市機能が完全に麻痺

「江戸時代では、ぜんそく患者が出たことは想像に難くないが、現代でそんなことが起きたら街は飛散した灰で薄暗く、車は立往生、鉄道は運休、浄水場もポンプが故障して水道が出ないなど、東京などの都市は機能をストップしてしまう。飛行機はもちろん飛ばないし、生活が困窮するのは目に見えています」(同)

都市部の機能が完全に麻痺してしまいかねないわけだが、ではこの甚大な被害が懸念される南海トラフ地震は、いったいいつ発生するのか。

「京大名誉教授が10年後の2035年プラスマイナス5年説を主張しており、これが有力です。海溝型地震による地盤沈下からの『リバウンド隆起』を用いて計算されたもので、1回の地震で大きく隆起するほど次の地震までの時間が長くなる規則性があるという。1946年に起きた前回の南海トラフ地震(昭和南海地震)からのリバウンド隆起は1.15メートル。それから計算すると、次に起きる南海トラフ巨大地震は35年前後となるわけです」(同)

ちなみに、約80年前に起きたこの昭和南海地震が南海トラフ地震としては小ぶりだった原因は、東側の駿河トラフが割れなかったからだが、安政東海地震から170年も経過しているため、南海トラフの東半分には相当なエネルギーがたまっているとみられている。

1月15日、政府の地震調査委員会は南海トラフ地震の今後30年以内の発生確率を「80%程度」へと引き上げたが、未曽有の巨大地震の勃発がそこまで迫っていることは確実なのだ。

「週刊実話」2月6日号より一部内容を変更