「海外のご当地店も回りたい。終わるまでは死ねません」食の達人が目指す世界のローカルチェーン本出版という大いなる夢



インバウンド用に英訳本の制作も開始!

回転寿司は地域性の権化
「最初に回転寿司とうどんを選んだ理由も、地域性があるからです。うどんって完全な西高東低で、関東から北は秋田の稲庭うどん以外は不毛の地。東京は近年うどんチェーン店が増えましたが、その多くはガチな讃岐うどん店。東京ではアレンジされたものよりも本場のスタイルを変えないものが好まれるようです。だから、香川県で修業した人が店を出すときも、地元よりコシを強くしたり出汁を濃く出すようにして本場感を強く出すらしいです。本物志向が強いんでしょうね」

さらにはうどん以上に地域性と店の個性が顕著に出るのが回転寿司だという。

「回転寿司は、生モノを扱うだけあって、地域性の権化ですよ。2大聖地の北海道と北陸のブランドが強くて、北海道なら『トリトン』『根室花まる』などが大人気だし、北陸なら『まいもん寿司』『もりもり寿し』などがあります。でも、日本はご当地回転寿司がまだまだあるんです。全国各地で海が違えばネタも変わってきますし、シャリの握り方、醤油だって変わってきます。東北全県にだって、四国とか中国、近畿、九州、はたまた沖縄や対馬みたいな離島にだってヤバい回転寿司店があります。この本で、まだ知られざる寿司の多様性“寿司バーシティ”というものを打ち出していきたいんです」

ある意味で、日本の地域性が最も色濃く反映されると言っていいローカル回転寿司という食文化。これは広く世界に広める価値があるのではないか。

運よく今年2025年は大阪・関西万博が行われる。

多くの外国人観光客が寿司を目当てに日本へやって来るインバウンド需要も見込めるため、英訳本の制作も始めた。