のれんをくぐった瞬間「ここは名店だ」と直感! 昼から飲める『船堀食堂 百味家』

昼から飲める店としても有名。近くに競艇場もあるため客足が絶えない。
のれんをくぐった瞬間「ここは名店だ」と感じた。食事をしている客は昼だというのに顔を真っ赤にしていて、横にはもれなくビール瓶がある。夜の酒は愚痴っぽくなっていけないが、昼酒は陽気なものだと決まっている。

【関連】汗水垂らして働いた後のビールともつ焼きは最高! 鶴見『鶴見川橋もつ肉店』【男がほれる酒と肴「ホの字酒場」第15回】

食べたいものをお盆に乗せて会計をするスタイル。こういう店に来ると、あれもこれもとつい欲張り過ぎてしまうのが酒飲みの悪いところ。
自分で好きな総菜を選び、お会計へ。
だが、小皿の料理は適度なボリュームだし、値段も良心的だから2000円あれば間違いなく満足できる。
酒のつまみはもちろん、野菜のメニューが多いのもうれしい。
最初に目に留まったさばみそは、見るからに味が染みこんでいて、これは酒が進むぞと思った。その予感は正しく、この一皿でビール1本を消費することになった。
さばみそ320円。他はマグロ刺し身430円、酢の物210円、ほうれん草のおひたし110円、牛すじどて焼き250円、ビール(中瓶)530円。締めて1,850円。
どの料理も下町らしく、味付けに迷いがないのがいい。何を食べてもうまいし、つい酒が進む。
締めは昔ながらのとろみのあるカレー(430円)。ボリューム満点。
一人客が多いが、私の隣に座ったのは老夫婦だった。

「月に2回、ここに来るのが楽しみでね。いつも飲み過ぎちゃうんだ」そう言うと二人は大きな声で笑った。

この世で一番素晴らしいのは、昼から酒が飲める人生である。この店には客の数だけ幸せがあるのだ。
『船堀食堂 百味家』
東京都江戸川区船堀3-2-3
03-3869-6610
営業時間:10時~22時30分
休み:無休

撮影・文/キンマサタカ
「週刊実話」10月31日号より