巨人の本拠地移転に暗雲 ホンダ・日産連合による西武ライオンズ買収は“打倒トヨタ”の切り札

東京ドーム (C)週刊実話Web
【ホンダ・日産の逆襲(2)】
トヨタ1強に待った! 経営統合が進むホンダと日産が、埼玉西武ライオンズの買収に動いていることが分かった。本拠地は当面「ベルーナドーム」(埼玉県所沢市)に置くが、2032年の「築地新球場」完成に合わせて移転する方針。新年早々、巨人に激震が――。

【ホンダ・日産の逆襲(1)】ホンダ・日産連合が西武ライオンズ買収へ ベルーナドームから築地新球場に本拠地移転か

「ナベツネさんが健在なら…」

経営統合が進むホンダと日産が埼玉西武ライオンズの買収に大きな関心を示す理由は、統合で誕生する持ち株会社の社名を速やかに世間に浸透させ、その認知度を高めていくのに最善の方法と見ているからだが、経済界でもこの買収は相当な相乗効果を得られるとみられているという。

「経営統合後も各社はそれぞれのブランド名は残す方針。東京・銀座のランドマークになっている『日産ギャラリー』(自動車ショールーム)は築地新球場に近い。ライオンズと連携すれば、複合的に各社の新車を今以上にアピールできる。打倒トヨタの切り札となり得る可能性も高いのです」(大手広告代理店の社員)

また、今年度(’25年)に着工し、’32年度に完成を目指している築地新球場は、多機能型スタジアム(屋根は開閉式)。可動席と仮設席を組み合わせてフィールドと客席を移動。用途に応じて2万席からおよそ5万席に変える方式で収容するため、野球やサッカーなどのスポーツ競技に加えてコンサート、大規模展示会も可能だ。

ホンダ・日産陣営にはまさに打ってつけの舞台だが、問題は巨人の移転が先行していることだ。しかし、ここにきて状況が変わりつつあるという。

大手紙の都政担当記者がこう語る。

「小池百合子都知事(72)のもとに、都幹部から築地新球場の巨人移転は、あくまで腰掛けで、現在の位置(水道橋)に東京ドームを建て替える期間限定(3年程度)との情報が上がっているからです。ナベツネさん(渡邉恒雄読売新聞グループ本社代表取締役主筆)が健在なら、こんなゴリ押しも可能だったろうが、昨年12月19日に亡くなった。スタジアムの管理者はサッカークラブも含め、ゼロベースに戻っている」

監督はHONDA野球部出身の長野久義で決まり?

一方で、ホンダ・日産・三菱陣営はプロ野球球団の恒久的に本拠地とする方針で、しかもサッカーも含めてマルチ活用の方針。日産は横浜F・マリノス、三菱グループは浦和レッズとJリーグ屈指の人気チームを抱える。立地条件のよい築地なら準本拠地でも常に満席が予想される。

さらにホンダ、日産は共に社会人野球の名門。ホンダは国内に3つの硬式野球部(東京、三重県鈴鹿市、熊本県大津町)を有し、リーマンショックで’09年限りで休部していた日産自動車(神奈川県横須賀市)も今年1月から順次活動を開始する予定だ。

この関係は、西武ライオンズ発足時におけるプリンスホテルとの関係と似ており、チームの底上げが期待できる。

「ホンダ・日産がプロ野球に参加すれば、監督はHONDA硬式野球部(東京)出身で巨人のスター選手・長野久義で決まり」と、早くもそんな声が聞こえている。

巳年の今夏、球界も大きく脱皮するのか。

「週刊実話」1月23日号より一部内容を変更