ホンダ・日産連合が西武ライオンズ買収へ ベルーナドームから築地新球場に本拠地移転か

野球ボール(画像はAIで生成したイメージ)
【ホンダ・日産の逆襲(1)】
トヨタ1強に待った! 経営統合が進むホンダと日産が、埼玉西武ライオンズの買収に動いていることが分かった。本拠地は当面「ベルーナドーム」(埼玉県所沢市)に置くが、2032年の「築地新球場」完成に合わせて移転する方針。新年早々、巨人に激震が――。

世界3位の巨大グループがライオンズ買収か

開場から37年を迎え、老朽化が進む東京ドーム(東京都文京区)について、巨人は築地新球場(東京都中央区)への移転を模索している。

築地市場跡地の土地所有者・東京都が、開発事業者に巨人と関係が深い三井不動産および読売新聞グループなどを選定したことから、移転は決定的と思われたが、想定外の強敵が出現した。

昨年12月23日に経営統合の協議に入ったと発表したホンダ、日産自動車の連合だ。三菱自動車も合流を検討しており、実現すれば販売台数が年間800万台を超え、トヨタ、ドイツのフォルクスワーゲンに次ぐ世界3位の巨大グループが誕生する。

計画表によれば、今年8月に持ち株会社を設立し、それぞれの社が傘下に。持ち株会社の名称は決まっていないが、「HONDAとNISSAN」をもじった『ホンダサン』や『NIHON(日本)自動車』も候補に上がっているという。

そこで持ち上がったのが、プロ野球の球団買収。理由は新企業名の認知度を広げる最強武器となりうるからだ。

なんの会社かよく分からなかったオリックス、楽天、DeNAなどもNHKの番組でからことあるたびに会社名を連呼され、全国的に一躍認知された。

「その経営統合の絶妙のタイミングで、球団売却の情報が飛び込んできた。その球団が西武ライオンズです」(日産関係者)

経済界も注目するホンダと西武の親和性

同球団の親会社・西武HDは不動産を長期保有して賃料を得る従来の形から、売却して再投資するキャピタルリサイクル型に転換した。昨年12月12日には、東京・千代田区の旧赤坂プリンスホテルの跡地に建設し、’16年に開業した大型複合商業ビル『東京ガーデンテラス紀尾井町』を米投資会社ブラックストーンに売却。価格は約4000億円と報じられている。

スポーツメディアは、売却益の一部がライオンズ強化に投資され、低迷する球団に光明が――などとノー天気に報じているが、そんな楽観的な状況ではない。次の売却候補が、そのライオンズだからだ。

「メインバンクのみずほ銀行が売却先探しに協力しており、同行をメインバンクとする日産が有力候補に挙がった。同社に球団買収の余力はないが、ホンダが絡めば話は違う。日産以上にホンダが関心を寄せているという情報もある」(M&A専門家)

西武球場のネックは交通アクセスの悪さ。西武線沿線の住民には便利だが、都心からは乗り継ぎ等に時間がかかり面倒。これは親会社だった西武鉄道の企業戦略だから致し方ない。

その意味で手が出しにくい物件だが、ホンダには親和性がある。主要工場や技術研究所、野球部のグラウンドなどが埼玉県内にあり、社員や協力会社の家族の準地元でもあるからだ。

もちろん、その視線の先にあるのは買収後の「築地新球場」への本拠地移転。日産・三菱自動車の経営陣の間にも期待が高まっているといわれているのである。

【ホンダ・日産の逆襲(2)】へ続く

「週刊実話」1月23日号より