「地方は宝の山!」全国600店以上を巡礼した食の旅人が語るローカルチェーンの味と歴史の奥深さ



ローカルチェーン捜索はまるで川口浩探検隊

ローカルチェーン店とはひと口に言っても、全てが駅前にあるとは限らない。

アクセスは電車やバスでも届かぬこともあれば、八甲田山のように雪中行軍を強いられることもあったりと、その捜索はアマゾンへ行く川口浩探検隊と何ら変わりがない。

「出張のついでに」「帰りに観光でも」なんて甘い考えでは成就できない。この旅は「ローカルチェーン店に行く」という目的のため――と割り切った。

「僕の旅は、行き当たりばったりはしません。行く土地には当該の店がいくつもあるので、事前に営業時間を調べて、全部のお店を効率よくまわれるように、分刻みでスケジュールを決めています。そこまでやらないと、とても回れやしないですよ。食べられてもランチ2にディナー2の1日4食。その店で何を食べるのかも厳選していますが、一番つらいのが、やっぱり同じメニューが続くときですね。昨年、回転寿司の本を作ったときなんて、2泊3日の10食が全部寿司で、名物のソースカツ丼が食べたい…と涙を飲むようなことばかり。一体、俺は何をしているのか…と、わけが分からなくなりましたよね」

彼の熱意により、“「本店の旅」は日本一濃密なローカルチェーン店の情報が載っているブログ”と関係者の間でも評判となる。

だが、もっとやれる。野心が蠢く。

19年12月。BUBBLE-Bは突き抜けた。安定をほっぽり投げて、会社を辞めてしまったのだ。

(次号、中編に続く)

取材・文/村瀬秀信

「週刊実話」1月23日号より

BUBBLE-B(バブルビー)

昨年、自費出版で発売した『ローカル回転寿司チェーン店のススメ』『ローカルうどんチェーン店のススメ』が好評発売中。お求めは「メロンブックス」「COMIC ZIN」「シカク」ほか、「BUBBLE-Bストア」(https://speedking.thebase.in/)にて。また、Amazon、Kindle、電子書籍でも発売中。