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JRA重賞『オークス』(GⅠ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

(C)JRA
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先週のヴィクトリアマイルは、わが第一本命グランアレグリアが素敵なほど強かった(2着に4馬身と決定的着差!)。

第二本命として期待したサウンドキアラは10着に敗退したものの、しっかり入れていた10番人気の人気薄ランブリングアレーが2着に突っ込んで、馬連3620円は好配当の部類だろう。これでルメールがGⅠ連勝を果たし、嫌な流れを完全払拭したかのようだ。私も、これで万が一、オークスを外しても、プラスでダービーに臨めるのがうれしい。こんなことは毎年あることじゃない。できればプラスを加算し、大勝負のダービーといきたいものだが、はてさて。

そこで今週だが、ヴィクトリアマイルで人気薄を2着に持って来た好調の吉田隼が乗る断然本命馬で、今や〝白い恋人〟〝アイドルホース〟と呼ばれるほどになったソダシが無敗オークス馬へと駒を進めるわけで盛り上がりは必至。本来なら府中競馬場は大観衆で埋め尽くされるはずなのに、観客数制限中である。嗚呼。

そのソダシ、何しろ5連勝だけに、先週のグランアレグリア並の1倍台前半のガチガチ人気かと思うと、どうもそうなりそうもない。これまでもダントツ人気には一度もならず、桜花賞だってなぜか2番人気。過去3倍以下になったことがないくらいで、勝っても勝っても過剰人気にならないタイプか? 今回も〝距離不安〟などが指摘されているし、2倍以下にはならないような気もする(最終オッズにご注意を)。それなら逆にオイシイのではないか? これまで常にソダシ本命だったわけではないし、白毛馬に思い入れが特段あるわけでもないが、今回はソダシ軸で不動とする。何かにヤラれる可能性はあるけど、2、3着は外すまい、という見立てである。

ソダシの生命力は強い!

映画馬券としては、JRAに現役馬で7頭しかおらず、登録馬の0.08%(5月20日現在)の希少種である白毛馬ソダシに絡めて、『アルビノ・アリゲーター』(96年)はいかがか。俳優のケビン・スペイシーが初監督した異色犯罪サスペンスで、バーに立て籠もった強盗犯たちと人質たち、そして警察との駆け引きを描いて実にスリリングだった。題名の〝アルビノ・アリゲーター〟とは、染色体の異常により数万匹に一匹の確立で生まれる雪のような純白のワニのこと。生命力も弱く、目立つ外観ゆえに彼らは生き長らえることはマレだという。群れの仲間たちは自らを助けるため、彼らを〝生け贄〟とするそうだ。この寓話がラストで強烈な意味を持ってくる、というわけだ。白毛馬ソダシは確かに外観は目立つが、生命力は強いはず。逆に、群れの中から抜け出し、栄光をつかみ取る可能性は十分過ぎるほどある。〝アルビノ(白子)〟に対する既成概念を完全払拭できるかも知れない。何だか、俄然楽しみになってきたではないか。にわかソダシ・ファンになってみよう。売れ筋だという〝ソダシぬいぐるみ〟はさすがに買わないけど(苦笑)。

結論は、もちろん⑪ソダシからだが、さて相手が難しい。先月のフローラSで小柄なオヌールを本命にして懲りたので〝440キロ以下の牝馬は原則買わない〟作戦をとりあえず順守するとして、まず距離延びてこその⑤クールキャット、⑦アカイトリノムスメ、⑨ユーバーレーベンは外せない。ほかに⑥ウインアグライア、⑬ファインルージュ、⑱ステラリアと、すべて前走440キロ以上(アカイトリノムスメは前走444キロだからギリギリだが)。あと例外として加えたいのは、馬よりもご贔屓の鞍上・松山で⑮アールドヴィーヴル。前走422キロは不安だが、少しでも体重上積みを期待し、無理を承知でGO!

買い目は⑪から⑤⑥⑦⑨⑬⑮⑱へ馬連、3連複を!

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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