【2025年の大予言】巨人軍“創設100周年”に向け浮上した本拠地移転と「新東京ドーム」建設計画



野球専用で天然芝、全天候型の開閉式ドーム?

2024年5月、都内で行われた築地市場跡地の再開発「築地地区まちづくり事業」に関する記者会見に、事業会社の一つである読売新聞グループ本社の山口寿一社長が出席。

巨人のオーナーも務める山口社長は、築地市場跡地に建設が予定されている多目的スタジアムについて、「巨人軍の本拠地移転を前提として検討してきたものではございません」と語った。

プロ野球球団を保有する企業としての意見を聞かれた山口社長は、「魅力あるスタジアムというのは当然、私どもとしても使ってみたいという気持ちはある」と説明。

本拠地移転に関しては「相当な調整が必要な大仕事。読売だけでは決められない」と、慎重な姿勢を崩さなかった。

「巨人の築地市場跡地移転については情報が錯綜していますが、関係者はノーコメントの姿勢を貫いており、否定的な見方もあります。巨人が2032年開業予定の築地新球場を使用することは間違いありませんが、その間に現在の東京ドームを建て替え、完成後に戻るという説も浮上しています」(スポーツ紙デスク)

確かに巨人の歴代首脳は、伝統球団にふさわしい自前球場の理想像として、野球専用で天然芝のグラウンド、全天候型の開閉式ドームなどの構想を語ってきた。

だが、築地の新スタジアムは用途に応じて客席やフィールドの形状が変わる多目的施設。グラウンドは人工芝で、屋根は開閉式ではなく閉じたままの形だ。

2034年に巨人は創設100周年を迎える。

築地新球場を2年間使用している間に、野球専用の“新東京ドーム”が完成すれば、球団の大きな節目となるシーズンから新たな本拠地を使うことも不可能ではない。

球界の盟主の未来を大きく左右する事案だけに目が離せないが、ともかく巨人が強くなければ、新しい球場ができても見向きはされないだろう。

『検証 2025年の大予言』(小社刊)より