【2025年の大予言】巨人軍“創設100周年”に向け浮上した本拠地移転と「新東京ドーム」建設計画



築地市場跡地への移転話が再燃

その候補地の一つが、築地市場跡地だった。

同跡地のうち東京ドーム4個分に相当する広大な敷地が貸付対象で、新スタジアム建設構想が浮上したのだ。

東京のど真ん中に位置する東京ドームは、JR水道橋駅と都営地下鉄三田線の水道橋駅、東京メトロ丸の内線の後楽園駅の3駅に隣接し、交通の利便性は抜きん出ている。

一方で築地市場跡地も、東京メトロ日比谷線の築地駅、都営地下鉄大江戸線の築地市場駅から徒歩1分で、新橋、銀座、有楽町から歩いて行ける好立地だ。

「読売新聞社にとって魅力的なのは、築地市場がライバルの朝日新聞本社の目の前にあることです。敵陣に橋頭堡を築く意味もあって、移転計画を進めていたんですが、小池百合子都知事が築地市場跡地に『食のテーマパーク』構想を打ち出したことで、いったん白紙に戻った。その後は代々木公園の再開発計画地なども候補に上がったが、球場建設には敷地面積が不足するなど条件を満たす候補地はなく、結果的に東京ドームの大改修で新時代に臨むことになりました」(巨人担当記者)

しかし、築地市場跡地の再開発が、およそ5万人を収容できる多目的スタジアムを中心に進められることになり、事業予定者に読売新聞社が入っていることから、球団の本拠地移転話が再燃した。

自前の本拠地球場を持たない弊害はある。

それが如実に表れたのが、コロナ禍の2020年。例年なら7月に東京ドームで開催されていた社会人の都市対抗野球大会が、同年に予定されていた東京五輪を考慮して11月22日からに変更されたのだ。

「この年はコロナで開幕が3カ月遅れ、日本シリーズも11月21日から開始となり、完全にバッティングした。シリーズ進出を果たした巨人は、本拠地の東京ドームが使えず、京セラドーム大阪での開催となった。前代未聞ですよ。自前の球場は読売新聞社の悲願なのです」(球界関係者)