中国人訪日客ビザ要件緩和で石破政権を「ポチ」呼ばわり 拘束邦人“解放”で援護する中国的あざとさ

さらなる甘い蜜「拘束邦人の解放」

免税店情報に詳しい中国人インバウンド客(中国SNSより)

かつての香港のように、日本でも抗議活動が発生するかもしれない―中国SNSで散見されるコメントを見るかぎり不安が募る。

「日本経済が厳しいから観光客を増やしたいのだろう」
「ビジネスチャンスが広がるのでは」
「日本での留学や学術交流が活発になるだろう」
「日本もビザ免除を。相互主義だ」

このように中国人たちは日本の足元をしっかり伺ったうえで、観光だけでは飽き足らず、痛いところまで突いているが、官邸関係者は「なんら問題ない。政府としてパーフェクトな対応」として、自信を持っているようだ。

「今、中国との関係改善が急速に進んでいます。日本人の短期滞在ビザ免除措置も中国側からの提案でした。福島第一原発の処理水問題も、日本から中国へサンプル水を提供すれば再調査をしてくれるという情報も入手しています。また、現在、帰国できていない服役中の3人と、今回のアステラス製薬の男性社員を含む起訴された2人の合わせて5人の裁判過程を早め、有罪判決を下したうえで国外追放というかたちで“解放”するよう交渉を進める土台も整いつつあります。日中関係改善は至上命題です。安倍政権時代から官邸主導で進めていたため、岩屋外相を“中国のポチ”などと批判するのは筋違いです」(官邸関係者)

はたして本当にそうだろうか。アメリカは、中国人に対して、10年間有効なB-1/B-2ビザの使用に際し、電子ビザ更新システム(EVUS)への登録を義務付けている。

その理由は、長期ビザの運用には一定の監視が必要と判断しているためで、EVUSを通して不法滞在やビザの不正利用を防ぎ、対策安全保障の強化する目的も兼ねている。

日本で社会問題化して久しい違法民泊や白タクに始まり、バス会社や免税店、ホテル、飲食店とすべての行程で、中国人訪日客を丸々抱え込むビジネスモデルは俗に「一匹の龍」システムと言われる。

日本の観光地にはほとんど金は落ちず、問題だらけの日本のインバウンド政策における問題は放置されたままだ。二兎を追う者は一兎をも得ずということにならねばいいのだが…。

取材・文/ROADSIDERS 路遍社