「シャッターチャンスは1試合500回!」審判写真家・林直樹が野球判定の奥深さと魅力を丸ごと解説



今では独立リーグの公式カメラマンに

「リクエスト制度の導入以降、約35%の判定が覆ることがあるといわれているように、プロの審判だからといって『すべてのジャッジを間違いなくやれ』という方がどうかしています。間違いはどうしたって起こるし、あとはトラブルがあったときにどう対処するか。本当に審判がやってはいけない絶対のルールが3つあるんです。1つは『ルールの適用の間違い』。2つ目が『ジャッジをしない』。3つ目が『曖昧なジャッジ』。優秀な審判と呼ばれる人はどっちとも取れるギリギリのプレーに、自信を持って大きくジェスチャーしていますよ。審判は喜怒哀楽を出さないともいいますが、表情に出る人ももちろんいます。そういうところもまたいいんですけどね」

最初はまったくの趣味で始めたこの審判写真がきっかけとなって、現在の林は野球関係で多方面から声が掛かるようになった。

オフの野球イベントではカメラマンとして仕事をもらうようになっただけでなく、実際の球団、かつてはBC独立リーグのある球団の公式カメラマンとして参加しているという。

「それでも審判写真は特別ですけどね。審判から野球を見ると視野も広がりますし、何より撮っていて楽しい。被写体として魅力的なものは審判であることは、おそらくこれからも未来永劫変わらないですね」

取材・文/村瀬秀信

「週刊実話」1月9・16日号より