ロシア派兵で500人以上の兵士が死亡か 北朝鮮で勃発し続ける不測の事態の最深部をすっぱ抜き!



北朝鮮兵は戦地で“弾よけ”に

さらに、この部隊編成は「北朝鮮兵士がロシア軍主導の下で戦うことを意味し、派遣された北朝鮮兵は“弾よけ”に使われている」と述べている。

1小隊は20人から50人編成だから、少なくとも10小隊規模の戦死者が出ていることになるが、こうした戦闘情報の発信源は、ウクライナのメディアや同国を支援するリトアニアの非政府組織(NGO)『ブルー・イエロー』などテレグラムチャンネルや言論人のSNSからだ。

「その信ぴょう性ですが、一部情報筋では、ウクライナ当局が北朝鮮の派兵を米国やNATO(北大西洋条約機構)から長距離砲などを引き出すため、あるいは北朝鮮と対峙している韓国を引き込むため、『意図的に誇張しているのでは』との疑念も指摘されています」(外交関係者)

兵士らの戦死情報が北朝鮮国内に伝われば、兵役忌避の増加が予想される。

それよりもっと深刻なのは、北朝鮮人民軍内では、将校のなり手がいなくなっていることだ。

米・政府系放送局『ラジオ・フリー・アジア』によれば、朝鮮人民軍総政治局は2年ほど前、将校候補に選ばれた対象者を調査して、「理由なく選抜を逃れようとする者がいれば、処罰する」との警告を発しているという。

「つまり、それほど軍から逃れようとする兵が多い証左です。衣食住に不自由がなく、羨望の的だった将校に対する特別配給はかなり前に止まってしまい、食糧と住宅不足で苦しい生活を強いられています。それでいて、命令が遂行できない場合には、重い処罰を受ける。コロナ禍においては、国境封鎖の任務をまっとうできなかった国境警備隊の将校らが処刑された例もありますからね。ロシア派兵で戦死するかもしれない、特権のなくなった将校に誰がなりたいと思うでしょうか」(北朝鮮ウオッチャー)

しかも、将校候補となれば、自軍の兵器がいかに粗末な代物かも十分把握しているというわけだ。