公職選挙法違反は日常茶飯事? 政治家秘書が“裏仕事”を暴露「息子の性犯罪と孫の交通違反をもみ消しています」【危なすぎるブラック企業の闇2】

性犯罪や交通違反ももみ消し

「名門校や進学校において、異質だとか周りについていけない金持ちの子供がいたら裏口を疑った方が良いかもしれません。ちなみに裏口入社の斡旋もありますね。『最終的には自分の事業を継がせるけど、その前に名の知れた会社に在籍した実績を作りたい』みたいな場合とか、資質などの問題で親の事業は継がないけど『それなりの会社に入れたい』場合ですね。システムは裏口入学と変わりません。進学にしても就職にしても、身の丈に合わないところに行ったら本人が苦労するって分からないんですかねって、同じ親として思います。もっとも学校なら成績を改ざんしたり、会社なら毒にも薬にもならない部署に回してやり過ごすみたいですけどね」

ちなみに、現在は某知事の公職選挙法違反が話題になっているが、それを伝えると――。

「あれも日常茶飯事です。うちの事務所でも数百、いや千単位かな?の票を買収しています。主に息がかかった企業の社員のものですね。日本人みたいに政治に興味のない人間は選挙権なんてメシの種にもならないと思ってますからね。微々たる金とか義理とかと引き換えに平気で権利を放棄するんですよ。うちの陣営も選挙違反がバレたことがあるんですけど、秘書が独断でやったことにしました。ちなみに罪をかぶった秘書には後で1000万円渡しています。もちろん裏金です」

また、不正行為はこうしたものだけではなく、さらにヤバい範囲にも及んでいるという。

「もみ消しとかですかね。うちの先生の場合は、息子さんの性犯罪とお孫さんの交通違反をもみ消しています。あと奥さまの詐欺ももみ消しています。奥様は人脈を利用したマルチ商法に手を出しちゃったんですよね。政治家も警察も同じ穴のムジナです。この国に正義なんて存在しないんですよ」

かつては政治家を目指していたというAさんがインタビュー中に見せたやさぐれた表情でタバコに火をつける姿には、現政治への失望と無念さがにじみ出ていた。

取材・文/清水芽々

清水芽々(しみず・めめ)

1965年生まれ。埼玉県出身。埼玉大学卒。17歳の時に「女子高生ライター」として執筆活動を始める。現在は「ノンフィクションライター」として、主に男女関係や家族間のトラブル、女性が抱える闇、高齢者問題などと向き合っている。『壮絶ルポ 狙われるシングルマザー』(週刊文春に掲載)など、多くのメディアに寄稿。著書に『有名進学塾もない片田舎で子どもを東大生に育てた母親のシンプルな日常』など。一男三女の母。