大規模都市開発で金に目のくらんだ子供が勝手に親の土地を売却…現代に出現した“姥捨て山”の恐怖

画像はAIで生成したイメージ
今から30年ほど前のことになる。

古い話で恐縮だが「そんなことがあったのか…」とでも思ってもらえれば幸いである。

当時、関東の某所では大々的な都市開発が進められていた。

広大な土地を最大限に利用しての企業誘致を自治体が目論んだのである。

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都市開発でまず着手するのは土地の買収であるが、これに古くからの地主が反対の声を上げた。

よくある「先祖代々の土地を手離すわけにはいかない」というのだ。

ところが、どの地主の家も反対をしているのは家長やその妻である高齢者で、子供や孫の世代は土地と引き換えに入ってくる莫大なお金に目がくらんでいた。

「後継者もいない農地を引き取ってくれるのだから有難い話じゃないか」

「使い道のない土地なんか持っていても税金をとられるばかりだよ」

「土地を売ったお金で高級老人ホームにでも入って、悠々自適な老後を送った方がいいよ」

次世代家族が必死に説得にあたるものの、高齢者は首を縦に振ろうとしない。土地の所有者はジジババだ。

中には「生前贈与」という形で土地を相続して転売しようと考える次世代家族もいたが、「お前の考えていることなぞ、お見通しだ」と言わんばかりに拒絶されている。

また、ある家庭では、土地の権利書をこっそり盗もうとした次世代家族が両親の逆鱗に触れて家を追い出されるという事態に陥っていた。

どの地主の家も「金の卵を産むにわとり」と化した土地をめぐって家庭争議が絶えなかったが、そこに救世主のごとくやって来たのが、地元で老人ホームを経営するX氏だった。