孫正義氏「日米Wシリーズ構想」撤回へ 今度は「米国ソフトバンク」でMLBに新規参戦か

「米国内にもう1球団」構想が急浮上

「我々の目標は日本一ではない。世界一」

日本シリーズ後、孫オーナーはそう言ってソフトバンクグループ首脳、王貞治球団会長、小久保裕紀監督以下、ホークス関係者を叱咤激励したという。

MLBコミッショナーのロブ・マンフレッド氏は、任期が満了する’29年1月までに「あと2球団増やす」エクスパンション(球団数拡張)を打ち出している。

候補の一つはカナダのモントリオール。長年エクスポズの本拠地だったが、ワシントンDCに本拠地を移転してワシントン・ナショナルズに。カナダのチームはトロント・ブルージェイズだけとなり、元巨人のクロマティ氏を中心に「球団招致が必要」と訴えている。

もう一つは今季、トレバー・バウアー(33、元横浜DeNA)が10勝無敗で年間最優秀投手賞に輝いたメキシカンリーグの強豪レッドデビルズだという。

ところが、「アメリカ・ファースト(米国第一主義)」「移民規制強化」を掲げるトランプ氏が大統領に返り咲き、マンフレッド氏のエクスパンション構想が方向転換。メキシコが消え、代わりに「米国内にもう1球団」が浮上した。そこに孫氏の意向が透けて見える。

「実は孫氏の“大リーグ参入”は、3年前にも噂された。アスレチックス(ア・リーグ、西地区)がMLBから老朽化した球場の建て替えを命じられた際、土地所有者の市と金額が折り合わず頓座。球団売却が浮上し、孫氏が候補に挙がりました。アスレチックスの本拠地オークランド市は、孫氏がカリフォルニア大学バークレー校時代に住んでいた地で起業家となった出発点。その“故郷”に新球場を建設し、オーナーに就くのではと思われました」(前出・スポーツ紙記者)