不倫スキャンダルだけで終わらない可能性も…森永卓郎が憂慮する財務省の国民民主党“玉木潰し”

森永卓郎(C)週刊実話Web
10月27日の解散総選挙で与党が過半数割れしたことで、キャスティングボートを握った国民民主党が与野党との政策協議に入っている。

玉木雄一郎代表は国民民主党が公約として掲げた(1)消費税率の半減、(2)ガソリン税のトリガー条項発動、(3)基礎控除の拡大などによる課税最低限の103万円から178万円への引き上げの3点を中心に政策要求を続けているが、中心となっているのは課税最低限の引き上げだ。

【関連】おススメはモノ、カネ、ヒトの順! がんと闘い続ける森永卓郎が「身辺整理」の心得と極意を伝授 ほか

国民の手取りを増やす即効性があり、有効な政策なのだが、実はそこに立ちはだかっているのは与党ではなく財務省だ。

財務省は、大手マスメディアを使って「そんなことをしたら7〜8兆円の歳入欠陥が生ずる。そんなバラマキは許されない」という論調を作り上げている。

財務省にとっては、今回の玉木代表の政策要求は許し難い暴挙だからだ。

まず、玉木代表は「恒久策」としての減税を要求しているのだが、財務省は恒久策をとても嫌がる。

単年度の財政支出ならともかく、ずっと減税を続けるのは、増税路線と矛盾してしまうからだ。

もう一つ、財務省が嫌がる理由は天下りだ。

半導体や宇宙開発の支援で財政出動すれば、そこに天下りポストが生まれるが、減税は利権につながらないのだ。

これまでの財務省の行動は、100億円の財政出動につき、天下り1人を押し付けるというのが相場になってきた。

だから、7兆円の減税財源があるのなら、本来700人の天下りを実現できる。それが減税では、1人の天下りポストも握れない。それだけは、どうしても嫌なのだ。

元大蔵官僚だった玉木代表は、そうした財務官僚の行動原理を分かっていて、財務省の痛いところを突いていったのだ。

だから今後、与党と国民民主の交渉が進む中で、水面下で財務省対玉木代表の壮絶な戦いが進むことになる。