学習塾の倒産が過去最多更新!? ニーズは高まっているのになぜ…少子化ではない“ある要因”とは



業界の利用者と売上高は20年で激増なのに…

調査結果でも、倒産件数増加の要因として、主な学習塾利用層である6~18歳の人口の減少が挙げられている。

しかし、前出の東京商工リサーチの調べによれば、学習塾の売上高は2004年の3078億円から昨年で5540億に、受講者数も944万人から1409万人に大幅に増加。

昨年の学習塾休廃業・解散が113社だったのに対し、新規参入した法人は519社と、ニーズはむしろ高まっているようだ。

業界不況ならば全体の市場規模も縮小しそうなものだが、なぜなのか。

「少ない顧客の奪い合いによる競争が激化しているということです。塾は動画やオンラインなどのデジタル化もあって、昔ほど広い教室を構えなくてもよくなっている。参入障壁が低いために新規法人が増えているわけですが、業者が増えれば淘汰されていくのは当然でしょう」(教育プランナー)

どうやら、現在の学習塾業界は「多くの事業者が少ない子どもを取り合う」という過当競争にさらされているようだ。

「少子化で子どもの数は過去最小を更新し続けていますが、その分、親は1人に対しての投資を厭わない。塾側からすれば、地域でちゃんとした評価さえ確立できれば、高い学費でも利用者が殺到するビジネスチャンスなわけです。少子化なのに売上高が伸びているのは、まさに1人あたりにつぎ込む教育費が増えている証左。評判のいいところや人材・機材の豊富な大手にどんどん生徒をとられていき、中小零細の塾はどんどんと閉鎖される時代というわけです」(同)

熾烈な受験戦争を勝ち抜くべくガンバっているのは、子どもたちだけではないようだ。