北の海に異変! 裏には中国漁船の動向が…歴史的不漁を覆す北海道函館市スルメイカ豊漁のなぜ

イカ (C)週刊実話Web
日本有数の“イカの町”が久々の豊漁に活気づいている。

「日本三大イカ釣り漁港」に数え上げられる北海道函館市では、近年、海水温の上昇などが原因で記録的な不漁が続いていたが、10月下旬から突如、漁獲高が倍増。漁港や市場関係者らが色めき立っているという。

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「函館のスルメ漁はここ数年深刻な不漁が続き、昨年の総取扱量は317トン。今年も200キロしかとれず漁師たちは『燃料代も稼げない』と頭を悩ませていたが、潮目が突然変わった。今では日に10トン以上とれる日もあるほどです」(魚市場関係者)

スルメイカは主に日本海を含む北西太平洋に生息、東シナ海から日本海で産卵した後、成長とともに北に向かって群れで長距離を移動するため、北陸や北海道周辺で多く水揚げされてきた。

1950年代から2000年までの漁獲量は約30万トン前後で推移していたが、16年から急激に減少し、以後、歴史的な不漁が続いていたのだ。

同じ「日本三大イカ釣り漁港」に数えられる石川県能都町にある石川県水産総合センターによると、県の調査船「白山丸」が6月12日〜18日に実施した能登半島沖から日本海中央部のスルメイカ定点分布量は、過去最低だった昨年同時期の4分の1だった。

また、同県の小型イカ釣り船の水揚げ量(5月1日〜7月20日)も157トンで、昨年同時期の196トンを下回る不漁となっていたほどなのだ。

それが、ここにきて豊漁へと転じた原因は何か。

そこには、いくつかの要因が考えられるという。

「イカの生態に詳しい函館頭足類科学研究所の発表では、『海水が適温になり、大きな群れが来遊しやすくなったのでは』と分析している。ただ、それでは例年の不漁の説明がつかない部分もある。そのため、日本近海で違法操業していた中国漁船の漁場変更を指摘する声もあるほどです」(漁業に詳しいライター)