「猿岩石はネタをやらずに…」「自分自身の言葉がなくて」芸歴30年のビビる大木が語るお笑い界の裏側



「こんばんみ」誕生秘話

ビビる大木 (C)週刊実話Web
――当時は深夜番組を見ていると、「次はこの人たちがブレイクするのか」と分かりやすかったです。

大木「ただ、有吉(弘行)が『進め!電波少年』(日本テレビ系)のヒッチハイク旅で一気に売れて、当時の太田プロのライブに行くと、猿岩石はネタをやらずにトリで1曲歌って帰るんです。ブレイクすると、こうなるのかと思いました。あと、その後の苦しみも見てたんで、新人が力をつける前にすぐ世に出るって、こんなに怖いことなんだっていうのも知りました」

――実感がこもってます。

大木「賞レースができて、今はそういうテレビの風潮もなくなりましたね。テレビにバンバン出てても、ライブでネタをやり続けてる人が増えましたし、『ネタをやってないやつは芸人じゃない』みたいな感じです。だから、もうあまりでかい顔ができないですよ。ネタもやってないんで」

――大木さんといえば、つかみの「こんばんみ」があるじゃないですか。

大木「若い子は僕が言ったって知らないんですよ。みちょぱ(池田美優)が『中学のときから使ってたけど、大木さんなの? えー!』って驚いてました。知らないで使ってたの?と聞いたら、『知ってたら使わないよ』と。いや、使ってくれよ!みたいな(笑)。一人歩きしてるのはうれしいんですけど」

――「こんばんみ」が生まれたきっかけは?

大木「もともとは、ただのあいさつです。20代の仕事がなかったときに、お笑いライブのエンディングで言ってただけなんですよ。テレビに出られるようになっても使ってたら、うっすら浸透したんです。ここでも運が良かったのは、ちょうどその頃に携帯電話が普及して、メールで『こんばんみ』が使われるようになるんです。そういう時代の潮流に乗ったんですけど、大木発だって知らない世代がいっぱいいるみたいです」

――出どころが分からなくなり、大木さんのギャグと知らない人が増えた、と。

大木「原口あきまさ君が『どうもこんばんみ。ビビる大木です』みたいな感じで、僕のモノマネをしてくれたんです。原口君が言うとオンエアされるけど、僕がロケとかオープニングで言うとカットされるんですよ。原口君のモノマネで自分の『こんばんみ』を見るという逆転現象が起きてます(笑)」